ふつうの朝




そう、この世界にも3年後に

わたしがそうしたように


この世界の、ルーフィと

めぐが、出逢うかもしれない。



でも、そのためには

3年後までめぐが生きている必要がある。



そういう可能性もあるのだろう。


現実の世界は、お話と違って

複雑なのね。


そんなふうに、わたしは思った。



「それで、隣町の気術使いさんに会うの?」と

わたしが言うと



「そうだね、会う前に電話してみようか」と

ルーフィは言った。






朝は、まだ始まったばかり。


きょうは、何が起こるだろう。





そんな;わたしたちの心配とは

かかわらず



時間は、淡々と過ぎてゆく。


いつものように、めぐは目覚めて

ブレックファースト。

天使さんとふたりぶんだから、いっぱい食べるのかと

思うと、そうでもなく(笑)

天使さんは、食べたりしなくてもいいのだそうだ。



今朝は、ミルクティをアイスにして。


それと、フランス生地のサンドイッチ。

さっぱりとしたレタス、それと

ルバーブのジャム。



フランス生地って、油ものと

よく合うのは


フランス料理って、こってりさんだから

なのかしら?



なんて、めぐは楽しそう。



フランスの風土に合った、お粉とお塩、と

酵母でできているフランスパンは、風土に合った

自然の中でできたもの。



その、さっぱりした気候なので

フランスのお料理は、こってりさんに

なった、とも言えそうで。



なので、気候を通して


パンとお料理は、相性が良くなっている。



それが、住む人の感性で

積み重なってきた記憶、だ。



そんな風に、歴史も重なっている。



わたしたちが、ちょっと違うのは

別々の時空から来たから。



でも、それぞれに似ているわ。



そう、わたしは思う。





制服が無いので、好きな服を選べて楽しいって

めぐはにこにこ。



きょうは、何を着ていこうかな....?







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ささやかに願う



ハイスクールで制服があるのは

この地方では珍しく、宗教に関わった学校とか


そのくらいのものだったから

ちょっと、めぐは

着てみたい、なんて思ったけれど



「でも、毎日同じ服を着るのも」

ちょっと大変だし、お洗濯が間に合わないと

清潔に保つのも大変、なんて思ったり(笑)



実際、そういう理由で

制服を定めないハイスクールも多いので


自由な発想で、服飾のセンスも磨ける

いま、も

それはそれで良いと


めぐも納得したり。






「きょうは、ルーフィさん、おでかけになるのかしら?」と


めぐは、そんな風に思う。


思いが募って、愛を伝えてしまったけれど

やっぱり、言わない方がよかったのかもしれないと

めぐは、ちょっぴりだけ思ったりして。


でも、言ってしまったので

すこし、すっきりしたような


不思議な心持ちでもあった。



「ルーフィさんには、Megさんが

いらっしゃるのだから。」



とはいえ、めぐ自身の3年後と言う

変な存在なのだけれど(笑)


だから、ライバルは未来の自分自身(笑)



それって、ライバルって言えるのかしら?(笑)

なんて、めぐは可笑しくって


くすくす笑った。








その頃、件のルーフィは

電話を、隣町の気術使いに掛けて

相談をしていた。



もちろん、国会議員たちの

精神的傾向を変える、とは言わなかったが



漢方薬で行うなら、食べ物に混入すれば

いい、と言う事だったし



新薬ならば、西洋薬学で言う

選択型セロトニン再吸収阻害剤、(笑SSRI)のような

物が有効で、医局処方であれば

入手可能、と


常識的な返答を述べた。




ルーフィは納得。



たしかに、再吸収阻害薬剤の選択型なら

薬を使っていると、本人も気付かない。


アメリカでは、気分を良くする為に

薬局で売られていたくらいの代物である。



「問題は、どこで入手するか、だな」と

ルーフィは思案した。



漢方なら、彼女の所で手に入るが.....。












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異なる時空を越える者



それぞれの時空、世界を

越えて行動できる者は、つまり自身が

各々の時空を歪ませている。


その上、各々の時空の神や、魔王からも

自由だ。



古来より、その存在が語られ


例えば、極東アジアの島国、日本では

度々地震が起きたりもするが


それは、この国の山陰地方に

八百万の神の主、と言われる者が

存在、つまり


時空の歪みが激しく度々訪れるからである。



そして、地震の際に

原子力利用施設が壊れ

放射性物質が飛散したりしたが


原子その物が、概念として小宇宙である。


それを核分裂させるのは、つまり

銀河の太陽を破壊する行為であるから



つまり、ひとつの時空を破壊している事になる。



それが、地震に伴って発生したのは


いかにも皮相的、しかし事実だ。







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それは、同じ状態を

いろいろな視点から見ているので


例えば、アジアでは仏様の下、人間界に


幾つもの魂が宿っている、とされるし



西洋では、神様の下に

天のお使いがいる、と言われるけれど



世界観、構造は似ている。



たぶん、構造は同じで


見方が違うだけ、と言われてもいる。




でも、ルーフィたちのいる時空は


その世界が、幾つか歪んで重なり合っている。


なので、その捻れ、歪みが

無くなれば、異なる世界からの

移動はできなくなる公算が強い。




そうなった時、ルーフィは元の世界に戻る訳で

めぐと、めぐに宿っている天使の運命も決まる

だろう。





でも、そんな運命は

意識しなければ、その瞬間までは

まったく気にならないものだ。



死が近づいた人の迎える一秒も、

生まれたばかりの赤ちゃんの一秒も


物理的には同じだ。







めぐは、ルーフィたちが

今日は、一緒に出かけないので


ひとりで学校に行く事になって。




「....ちょっと、さびしいな」なんて思ったりもして。


さわやかな夏服の

白い袖を、ちょっと引っ張って直したりして

気分を整えた。



短く揃えた髪を、指で倣って。



路面電車の通りまでの、坂道を下る。




「3人一緒だと、楽しいのに」と

いつか、別れの日が来る、そんな事を

考えないように、した。




きらめく、夏のひざしを思わせる

こもれびの中


さわやかな気持ちでいよう、と

そんなふうに思ったり。




ただ好きなだけ、って

気持ちだけだった


ちょっと前の自分を



「すこし、恥ずかしいわ」って

思ったりするくらい、少し大人っぽくなったのかな



なーんて、じぶんで思ったり。


微妙なお年頃。





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