運命の赤い糸、繋げて結んで。

@raitiiii

第1話 初恋の人

 小学生の時は同級生の女の子がいたけど、中学高校は男子校だったから、女の子はいなかった。


 そして高校を卒業し、俺、鳴海照なるみてるは大学生になった。


 大学は共学で、久しぶりに女の子と同じ環境で勉強ができる嬉しさと、6年間まともに女の子と話せなかった不安で、ドキドキハラハラして挑んだ4月。


 俺はサークル勧誘をしている1人の女性に釘付けになった。


 女性の中では高身長でスラッとした体付き、長くて艶のある黒髪を腰の辺りまで伸ばしている。


 特に天の川のような綺麗な瞳が特徴的だった。


「…………」


 俺はその姿を見た瞬間、ビビッと身体中に電撃が走る。


 その時、俺は本能で感じた。


 あ、俺この人のこと好きになった。 これ初恋だって。


運命の相手で、赤い糸を繋げて結びたいと強く思った。


「…………!? あなた、もしかして天文サークルに興味があるの??」


 俺は体を硬直させながらその女性を見ていると、視線を感じたのか女性は俺の方を見る。


 俺を見た瞬間、女性は目を見開いたかと思うと、ズンズンと足音が鳴りそうな勢いで俺に近づいてきて声を掛けてきた。


 綺麗な瞳が俺のことを捉える。


「は、はい!! すっごく興味があります!」


「なら、天文サークルに入らない?」


「入ります!」


 俺は迷うことなく返事をし、入部届に学部と名前、学年などを書いていく。


 書き終わって入部届を女性に渡すと、女性は頷いて紙をカバンの中へと入れた。


「経済学部1年生の鳴海 照くんね。 私は心理学部2年生の天野雫あまのしずく。 これからよろしくね?」


「天野先輩、よろしくお願いします!!」


「よろしく。 後、私のことは雫さんって呼んで」


「え、えっとじゃあ……雫さん?」


 俺がしどろもどろになりながら言うと、満足したのか雫さんはうんうんと頷いた。


「それじゃあ、私はまだ勧誘があるからこの辺で。 サークルで会えること楽しみにしてるわね」


「は、はい!」


「それじゃあ、またね」


 そう言って雫さんはキビキビと歩いて人集りの中へと消えていった。


 これが俺と雫さんの初めての出会いだった。

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