晦渋

最初、読めなかった。

で調べたら「かいじゅう」と読むと知った。

意味は「言葉や文章の意味がむずかしくて分かりにくいこと」だそう。

いえい、ひとつ賢くなれた。


さて宮本輝さんのエッセイの中で「襟を正す」って気分になった文章がある。

「晦渋」はそこに出ていて、だからここへもかいつまんで記しておこうと思う。


ピカソは子供の時からメチャ絵がうまくて、逆に「子供のように」描くために一生かかった、と言われてる。

なら小説はどうだろうと考えた時、小説を子供のように書くなんて、どんな短編でも文章による組み合わせと思考で構築されてるから、ありえないよなって。

それでも「子供のように」というならきっと、難しい表現を出来るだけ使わないことだと考える。で、そんなことは思想や思考が明晰で深くないと絶対、出来ないことで、だから小説の「つまらなさ」はたぶん不鮮明で曖昧な思想や思考を晦渋に表現することに尽きるんだろうな、と。


ピカソを普遍の達人と認めた上で、絵画と小説を同等に扱う視点がならでは。

でも小難しげに書くとなんだかハクがつくような気がして、あえてそうしたポーズを取っちゃう。それら言葉に頼っちゃって雰囲気に酔うままロクに考えず、適当に投げちゃうんだよね。

そういうのは結構、読み手に「掴み切れないモノ」として伝わっちゃうんだよね。

そりゃ、つまらんわ。

喝!

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