心美と綾乃
加藤ともか
プロローグ
私の手は鮮血で真っ赤に染まっている。生々しい血肉の感触が、嫌と言う程に手を覆う。
これが……これが人を殺めるという事か。
血を流し、荒い息を立て、もがき苦しむ彼女。もう既に虫の息、放っておいても後五分も生きられまい。私が殺したんだ、彼女は。私の手で……
「こ……ここみん……?」
虚ろな目で私を見つめる彼女……かすれる息で、懐かしい響きの言葉を口にする。
「あっ……ああっ、ああああっ!」
その言葉を聞いた時、私は激しい後悔の念に襲われた。罪悪感で胸が苦しくなり、膝から崩れ落ちた。ああ、どうして私はこんな事を……こんな事をしてしまったんだ!
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