第8話


冴えない、と思われてた真島マヒロだけど。

塾で会ったら別人だった。俺は入塾試験の結果から、晴れて特待生となったのだが、

マヒロとの顔合わせの際はやたらとドキドキした。なんでってやたらと美少女だから。

高校にいるときと、塾にいるときとはまるで別人。


マヒロ曰く、

勉強に集中したいし、容姿を妬まれて

昔、嫌がらせにあったことあるから

外見を落としているということだった。


さて。


俺もマヒロも特進クラスに入り、

猛勉強した。



その結果、

全国模試の会場では

やたらと落ちついて試験を受けることができた。


その会場で。


俺は突然、かわいい女の子に呼び止められて謝罪された。


「ね、ねぇ!山吹シンジくん!」


マヒロと一緒に帰ろうとしてたとき、

声をかけられた、頭を下げられた。


「あのね、私のせいでほんと、ごめん...」


「その制服、T高校だよね、、?

こんなこと言っちゃ失礼だけどさ、随分、

低い高校に通わなきゃいけなくなっちゃったんだね...」


「えっと、誰だっけ?」


「進学校で一緒だった林ユーコだよ、、

私が藤島くんにお金渡されて嘘の証言を理事長にしたの!

それで、山吹くんの将来を奪ってしまった...」


思い出してきた。

林ユーコは藤島が好きな女の子だった。


「いや、顔を上げてよ、林さん!」


「俺なら大丈夫なんだ!塾で特待生でさ!

えっと、今、俺の隣にいる女の子に誘われて

入塾して、特進クラスで頑張ってる...!」


「だから心配しなくていいよ!

多分、今回の模試でもいい成績残せると思う」


「ううう...」


「本当にごめんなさい...

山吹くん優し過ぎるよ...」







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