第7話


話してみると、彼女は可愛い声だった。

「真島マヒロだよ、」と自己紹介してくれた。

そして、俺がつい先日まで通ってた

高校を受けたけど、熱が出て落ちちゃったと

話してくれた。

「でも、国立大学に行きたいから塾とか行って

頑張って勉強してるんだ、」

と教えてくれた。



「そっかあ」


「ねぇ。あのさ。勉強教えてくれない?

ここ、分かんなくて」


「あ、うん、いいよ。ここはさ、こーしてさ」


「え、待って、凄い!これ、めちゃくちゃ難しい問題だよ!京大の二次試験に出たやつだよ」


「もしかして、凄い頭いいの??」


「あ、いや、大したことないよ」


「じ、じゃあ、コレも教えて?」


「うん、これはさ、」


「ヤバイ!これだって難関大学の問題なのに」




「ねぇ、将来の夢は?」


「医者かな?でも、この高校じゃちょっと

大学行けないよね、、」


「塾は?」


「うち、貧乏だからさ」


「特待生になれると思う!

ねぇ、私と同じ塾行こ!特待生は授業料無料だから!」


俺は。


なんだか、彼女に背中を押されて、

勉強する気持ちになった。


進学校を追放されたから、

もう勉強とかいいやと思ってたのに、だ。





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