第一回『倫国大食大会』

概要

その名の通り、倫国内で最高の料理人を決めるための国家を上げた料理コンテスト。


元々は皇帝付きの料理人が老齢により引退時期が迫り、その次を決めるだけの大会の予定だったが、昨今の災害や国内の乱れを明るい話題で盛り上げようと規模が拡大、さらに地方の郷土料理や特産品の品評会としての役割も加わることで国を挙げた一大イベントになっていた。


優勝者はそのまま皇帝付きの料理人に召し上げられるのと同時に、料理に必要なものを自由に集められる特権と財源を与えられ、さらに農林水産への発言権も与えられると、破格の待遇となっている。


参加資格は基本は誰でも。ただし最初の最初の試験がそのまま料理人としての最低限の能力の有無を見るものであるため、包丁も持ったことのないものは自然とふるい落とされるようになっている。


問題が表面化したのは地方選抜の顔ぶれがそろい始めたころから。


その破格の待遇に加えて皇帝への直接、間接的な影響力を狙い様々な勢力が暗躍、裏特有の勝てれば何でもいいの精神により、もはや料理対決など霧散しかかっている。


更に優勝の有無が賭けの対象となったり、政治的思想の発表の場とみなされたり、まんま皇帝の命を狙ったりとドロドロとした闇が煮詰まりつつある。


具体例としては、これまで勝ち抜いてきた者たちの約三割が、試食もされずにかち上がってきている。


間の予選はまだ内容も未定とされているが、決勝戦は皇帝自ら試食することが決まっており、それまでに何とか真っ当な料理人を選び出さなければならないと関係各所、胃痛で苦しんでいる。

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