第19話
数週間後
「お兄ちゃん、桜咲いたよ」
「どこで、まだ葉桜だろう」
「そういう意味でなくて・・・」
知ってる。
「合格したよ。大学」
「そうか!やったな。おめでとう」
「ありがとう。お兄ちゃん。お兄ちゃんのおかげだよ」
「香耶ちゃんが、がんばったよ」
抱きしめたい気分だ。
でも、ここは抑えておこう。
「お兄ちゃん」
「何?」
「ハグしてくれないの?」
「していいの?」
「うん!」
ハグをした。
何だか、照れがある。
こういう時は、女の子の方が堂々としているものだな。
「香耶ちゃん」
「何?」
「合格祝いは、何がいい?」
「何でもいいの?」
「高すぎなければな・・・」
「じゃあ、お兄ちゃん」
こけた。
「お前な・・・」
「最後まで聞いてよ、お兄ちゃん」
「何?」
「ふたりきりで、お出かけしたいんだ。私」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます