神の祝福と魔の落とし子

宮原陽暉

プロローグ

 少女は言った。


「これは呪いよ」


 少年は言った。


「これは祝福だよ」


 少女はその言葉が癇にさわり、


 そして――



      ◆



 いつの頃からか世界中で不可思議な能力をもつ子どもが生まれ落ちるようになった。


 空を自由に飛べる子ども。


 炎を自由に操る子ども。


 未来を見通す子ども。


 その能力は千差万別であった。


 異能の子。

 それは化物のごとき技を操ることから異端視され、魔女狩りのごとく人々から排斥された。


 異能の子らは、ある吟遊詩人に醜悪なる魔童とうたわれ、古の魔の使いになぞらえて悪魔と略称されるようになった。


 さらに異能の力は堕落させし技――堕技と貶められ、忌み嫌われた。


 だが、いつしか人々はその異能の力――堕技を利用することを覚えはじめた。

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