真逆な2人
佐々蔵翔人
はじめに
「私はどうなるのだろうか……」
私は
これまで私は特に勉強が出来るわけでもこのスポーツに突出している訳でもない普通の女子校生である。趣味で何かに熱中していることもなく、なんとなく毎日を過ごしていた。
高校はどのように選んだかと聞かれるとこのように答える。制服がかわいかったから。
女の子にありがちな理由で周りに住む歳上の女の子たちがそのような理由で高校を選ぶなんて、そう思っていた自分がまさか同じ様な理由で高校を選ぶことになるとは小学生の自分が聞いたらなんというのか。きっと同じ理由かよと言うに違いない。
私の通う
入学式、同じ中学校から高校に進学した友達もいなければ周りからもそういった話は全く聞いておらずきっと1人だろう……。女子校で孤立したり酷いイシメに遭うのではないかと期待と不安にいた。
私は体育館の外にクラス名簿が貼ってあった。だが体育館に入るとどこに座っていいか分からずにいて座っている女の子に声をかけた。
「あの……すみません。どこの椅子に座ったらよろしいですか?」
「そうだね……。よく分からないし隣が空いているからよかったら隣に座って、式が始まるまで少し喋ろうよ」
私はありがとう。初めまして早乙女萌恋です。
こちらこそ初めまして
2人で少し喋っていると入学式が始まった。
1時間後、入学式が終わり優姫ちゃんと喋っていると東京でも有数なオシャレな街に住んでいると聞いてまさに名前に相応しいお姫様、令嬢のような感じで性格や住む世界も真逆で仲良くしてくれるのかと不安になっていた。
それに比べて私は勉強も出来るわけでもなく、運動が出来るわけでもなくてこれといった趣味もない。
住んでいる所は神奈川の田舎でも街でもないような所に住んでいてさ。優姫ちゃん、こんな私だけど仲良くしてくれる?
勿論だよって言って欲しい反面、あなたと住む世界が違うのよと突き放されるのではないかと怯えていた。
優姫は私に言った。
私からしたらそれがなにって感じ。勉強や運動が出来なきゃ友達になれないの?それに住んでいる所なんてそれぞれ違うよ。昔からオシャレな街に家があるからってお姫様とか令嬢だとか言われ続けていてそれがイヤで地元の近くの高校に行かず、この学校に進学しようと思っていたから萌恋ちゃんの様に普通に接してくれる友達が欲しかった。
私は驚いた。優姫ちゃんは天使なのか、ホントに姫なのかこんなに自分に優しく接してくれる人がこの世にいるのかと思っていた。
優姫ちゃん、よかったら連絡先交換しない?
こちらこそ、萌恋ちゃんと仲良くなりたい。そうだ、学校終わったら一緒にどこか出かけようよ。
いいよ、でも私この辺りのことよく分からないから優姫ちゃん案内してくれない?
萌恋ちゃんゴメン、東京に住んでいるけれどこの辺りのことよく分からないから何があるか2人で発掘しようよ。
2人で発掘って面白そうだねと話していると担任の先生がやって来てみんなが着席し、この日は簡単な自己紹介と翌日以降の流れを説明を受けてお昼頃には学校が終わった。
私は優姫ちゃんと共に学校を出てひとまず商店街に向かうことにした。
趣味もなければ勉強、運動も普通の早乙女萌恋と趣味多様で誰もが憧れる才色兼備の如月優姫と真逆の2人がこの先どうなるのか?
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