ACT 6
太陽光に焼かれた船体は、炙られたフライパンそのものだ。
登ったそこで、投げ出した両足を遊ばせる。
『アーツェ』への入港は感染症の疑いで拒否される可能性も大なら、血染みのついたシャツは捨てても構わないと思えていたが、購入者に一張羅なら大事にしろと言われ断念した。
おかげで洗剤入りの袋、ディスポーサブルウォッシャーの中でシェイクされたそれはこうして目の前、 サスが引っかけたアンテナの先で元気よさげとはためいている。
それ以上、丁寧に扱ってもらってもいいと思えるブレードの傷口へは、吸収性の癒着絆が貼られたきりとなっていた。
それもまた太陽の下にさらして、シャツが乾くまでを待つ。
見下ろせば荒野が地平線をたわませ果てしなくどこまでも広がっていた。 眺めるだけなら退屈することこのうえないが、わたる風はすこぶる心地いい。
空はじき夕方へ色を変えてゆくだろう。スペクトル分解。青は『アーツェ』と同じ波長を放ち赤くなるのだと、ぼんやり考えながらアゴを持ち上げる。つられて口は開き、声は背後からかけられていた。
『まったく、どうして帰ってなんぞ来おった?』
振り返ればそこに、のぞくサスの頭を見つける。船側に設えられた足場を登ってきたのだから、よほど邪魔だったに違いない。目が合うなり握っていたドリンクのパックを投げつけられた。受け止めラベルを確かめてから、キャップのストローをパックの中へ落とし込む。渇きを覚え始めた喉へ、中の液体を勢いよく吸い上げた。
億劫そうな声を上げながら船へあがってきたサスは、隣へ腰を落としている。見晴らしを確かめると同じようにストローを押し入れ、やたらうまそうにパックの中身を飲み始めた。
そうして一服ついた互いの間へ、ことさら風は強く吹きつける。
『それから、どうしてスオードの事を知っとった?』
遠慮気味と付け加えて、サスは問いかけた。
そういえばパトロール船の動力部にはそう言う愛称がつけられていたかと、記憶をなぞる。
『あれだけじゃない』
もう潮時だと、観念するしかなかった。
『店の品はほとんどが理解できる。言えばややこしくなるだろうと思って、黙っていた』
ストローから離した口を開き、伸ばしていた足を引き寄せる。
聞いて顔を背けたサスは、そこで冗談だろうと笑っているらしい。ままに遠くへ視線を投げると吐き捨てた。
『何が覚えておらん、じゃ。記憶がないなどと言いおって。ないどころか大アリときとる。まったく、お前さんも相当のサルじゃの』
さらに遠くをのぞき込んで、サスは体を傾ける。
『……金は足りとろうが。なぜ戻らん』
それはどこか様子をうかがうような言い回しだった。しかしながら答えられないことに変わりはなく、ただうつむく。思い出したようにストローへ食いつき、パックの残りを一気に吸い上げた。真空に潰れたパックはすぐにもて用を足さなくなり、遊び飽きた玩具よろしく投げて、勢いのままに背後へ倒れ込む。焼けた船の上へ両の手足を大の字と広げた。視界いっぱいに広がった空に掴みどころはなく、ただ太陽光がジリリ、体を焼き付けてくる。
どれもこれも否定できないことだらけだ。
ならこれもだと、焼かれるにまかせて息を吸った。
『だが肝心なことが思い出せない。どこにいて何をしていた誰なのか。名前も何も浮かんでは来ない。そんな知識がなんだ。俺は、自分のことの方が知りたいッ』
きつく目を閉じた。両腕を枕代わりと頭の下へくぐらせ、寝返る。サスへ背を向け、ぎゅっと体を丸めた。
沈黙はぎこちなく、やがてのそりと、サスが振り返った気配を感じ取る。様子をうかがいのぞき込む影が、閉じたまぶたの向こうに落ちた。
『それで、言われた通り買い物だけして、戻って来おったのか?』
呆れたような声だ。答えてやらなければ今度は哀れむようにトーンを下げる。
『なんとのう』
妙に腹立たしく聞こえるのは、なぜか。
そこでサスは、のぞき込んでいた体を下げたようだった。
『覚えてないと言い張るは、てっきり探られたくない腹があるからじゃと思うておったが』
しみじみと繰り返す。
『本当に、覚えておらんと言うか?』
念を押しと確かめた。
『どうせイカレたジャンキーだ。行くあても、帰るところもないッ』
辛うじて返せば、鼻溜は背後で思案に大きな息を吐き出してみせる。
風が負けず劣らずゴウと吹いて、かすかな喧噪をどこからともなく運んできた。 それが街のものなのか、また別のざわめきなのかは分からない。ただサスの切り出し方は、そのざわめきの一部のようでそつがなかった。
『なら、どうじゃ。わしの元でジャンク屋でもやってみんか』
閉じていた目を開く。思わず悪いものでも喉に詰めたかのような顔で振り返ったなら、 そこで心配などこれっぽちもないとサスは笑っていた。
『なぁに、適当なことを言うておるんじゃないぞ。まずお前さんは稼げるジャンク屋に必要な知識を持っとる。それも相当にの。でもって船も飛ばせる。造語もこうして不便がない。お前さんは自分をイカレたジャンキーじゃというが、イカレたジャンキーは自分のことをそうは話さん。造語での話しぶりとて、少なくとも阿呆には見えん。近頃、体もしっかりしてきた。そのうち女の尻も追いかけ始めたなら問題なかろう。そのうえ曲がったことが気に食わんときとる。わしの取引相手には、そこが一番、重要での。だいたいわしも儲けんといかん。ノウハウはわしが教える』
話しぶりはもうやると決めたかのようで、矢継ぎ早に並べ立てるとずい、と体を乗り出した。
『どうじゃ。やってみる気はないか?』
その目はあまりに真剣で、真剣だからこそ面食らう。 いや、何も、躊躇する気がかりがあるわけではない。そんな過去こそ持ち合わせてはいなかった。面食らうのは唐突すぎる提案に心がまえができていないせいだ。ならばなおさら言われるがままを受け入れていいのかと、慌ててその場に座りなおした。
『待ってくれ』
絞り出す。
『確かに船は飛ばせる。だが、俺はその船を持っていない。光速に乗れるIDもない』
懸念はほかにもあるはずだが、取り急ぎ思い当たったことと言えばそれくらいだ。 するとサスは予見していたかのように調子を崩すことなく、切り出してみせる。
『船ならある。デミの、孫の初乗りに取り置いておったスクータ船が格納庫に眠っとる。あれを使えばよい。船代はローンじゃ。その船で回収したジャンクはわしが買い取る。そこから船代を差し引く。ウチは低金利の優良プランじゃからな。お前さん、ついとるぞ』
どうにも最後の一言が悪徳商人のおだてセリフに聞こえてならないが、このさい目をつぶるほかないだろう。当のサスも気にすることなく、IDの件もまた一蹴してみせる。
『IDはギルドで偽造モノが出回わっとる。むしろ正式なIDより、この商売ならそちらの方が便利じゃろうて。口座を開くには手間取るじゃろうが、わしの店が噛めばそれも問題ない』
『だがスクーター船じゃ光速には乗れない。アーツェの周辺で衛星を漁ったところで、一生あんたを儲けさせることなんて無理だ』
言わずにおれなかった。とたん不敵な笑みに膨らんだのはサスの鼻溜だ。おそらく『マイスリー』がこの顔を見ていたら取引は最初から不利だと分かったことだろう。
『何を言いおる。あろうが、とっておきのヤツが』
理解できずに眉をひそめた。
『お前さんはアレを偽物だと見抜きおった。確かにそうじゃ。じゃが、全部がハリボテと言うわけではないぞ』
前にして、サスは続ける。もちろんアレとは、まだフロートに乗ったままカーゴに放置されている動力だ。
『どうしてわしが怪しげなアレを買い取ろうとしたか、分かるか?』
たずねるものだから、首を振って返すしかなかった。
『外して吊ったあのユニットは、確かに動力でもなんでもないガラクタじゃ。じゃが、わしが覗き込んで確かめた残りのユニットは、ホンモノじゃ。間違いない』
まさか、と耳を疑う。
『そして欠けたハリボテ部分は、似たような手合いからすでに買い受けておっての』
立て続け、絶句していた。
明かして鼻溜を振るサスの眼光は、ことのほか鋭い。
『バラしたのは手元の部品と品番がおうとるか、それを確認するためじゃ。そっちもバッチリおうとる。わしが思うに、おそらく最初、持ち出そうとした誰かは単体では無理じゃいうことで、バラして流したんじゃろうな。だがそれが再び組み合わさることはなかった。もちろん、わしの手元に回ってくるまでは、と言うことじゃがの』
そこでサスの語気は強くなる。
『さて、うまく組み合わせられるかは、わしらの腕次第じゃ。だがピースはそろった。久々に腕がなるのう』
『ならあの時……』
つまりそれは言うまでもない顛末だ。
おかげで思い出したか、気合にふくらんでいた鼻溜を潰してサスは額をかいてみせた。
『ま、そういうことじゃ。じゃからお前さんが乱入して来た時は、どうなることかと思ったぞ。二束三文のガラクタで取りっぱぐれんようにと、相手も法外な値はつけてこなんだからな。いい具合に値切れておったしの。まったく、マイスリーがくれてやると言った時はどれだけ嬉しかったか』
叩いて話にオチをつける。
確かに、全てを知った今ならあれは営業妨害そのものだろう。
『そいつをスクータ船に積むのか?』
信じられず問い返していた。
『ちょうどじゃろ』
至極単純にうろたえる。
『俺には支払えない』
それとも一生タダ働きさせる気かとさえ、思っていた。
ならサスは、思い出したように催促の手を突き出す。
『そういえば釣りはどうした? ほれ、お前さんに渡したろう。変換ユニットの電子ウォレットじゃ』
そういえば尻ポケットへ突っ込んだまま、ゴタゴタにかまけて返していないことを思い出した。
『ああ。すまない』
まだ相当の金額が残っているはずで、短く答えて尻ポケットから引き抜く。早くしろと急かすその手へ渡した。握ったサスは胸ポケットへしまい込みつつ、鼻溜を振る。
『これで十分じゃ』
『は?』
不可解に歪む顔をごまかすことはできなかった。前で商人の言い分は、さらに不可解を極めてゆく。
『船はデミに新しいのを買ってやらんといかんからの。 ローンにするが、これは一度お前さんにやった金じゃ。それでお前さんは今、アレをわしから買った。なに、アレの半分は、お前さんの奮闘でタダで手に入れたようなもんじゃ。これくらいでちょうどよかろう。それにどこぞの企業に売り払ったとして、こっちへ投資した方が見返りは大きいと、わしはよんだ』
本気でそう考えているのか。思わずにはおれなくなる。そしてそう疑えば疑うほど、こみ上げてくる笑いを堪えることは出来なくなっていた。挙句、吹き出すと、揺れて引きつった肩に痛みを覚え、癒着絆へ手をあてがう。
『サス、あんたこそ妙なクスリをやってるんじゃないのか?』
『おお。初めて笑ったの』
『当たり前だ。これが笑わずにいられるか』
『ますますいい調子じゃ』
『あんたが面白すぎる』
『お前さんも、ずいぶん興味深い』
商品と同じに扱われては困ると思ったが、そこでサスははたと鼻溜を硬直させた。
『いや、いつまでもお前さんではいかんの。偽造IDにも貼り付ける名前が必要じゃ』
と、立ち返った憂鬱な話題に、せっかくの笑いはなりをひそめてゆく。
『この先、使う自分の名前じゃ。思い出せんと言うなら、それくらい自分で好きなものを選んでつけい』
その通りだと思えていた。すぐにも何か、どれか、工面しなければと眉間に力はこもる。せめて自分の名前くらいは思い出せ、と念じた。だが何一つ蘇ってこない。選ぶことは相も変わらず苦手なままだった。
ただひとつ、だ。
ただひとつ、その過程で感じ取ったことに思いがけない気持ちを抱く。そう、「この先」と言う言葉の響きに何か、どこか、湧き出す力を感じていた。それは記憶ではなく体をうずかせると、やがて思い出さなければ困るだろう何かがあったことを知らせる。
それは「青」だ。
閃くままに広がる空へ顔を上げた。
そこで風は吹くとアンテナに引っかかるシャツを翻し、一握の砂埃を舞い上げている。
何を選ぶのか。
彼方から、また問いは投げかけられていた。
どこだ、と目で追いかける。
瞬間、体は宙へ舞い上がった。
いや、空が落ちてきたのか。
天地は消えてやおらショーウィンドに流れていた女だけが現れる。顔は視界いっぱいに広がると、その瞳は空の青を透かしていた。
声は、お前なのか。
問えば、遠ざかってゆく女が今度こそ体を彼方へ吸い上げる。
気づけば辺りは青に満たされていた。その届かぬ頭上から、女はあのウインクを放ってみせる。
あなたは、何を選ぶの?
言う声はしかしながら、映像から流れ出ていたものとはまるで違う。
だというのに胸に鋭く突き刺さった。
知りもしない声だというのに、痛いほどの懐かしさを感じる。目頭はとめようなく熱を帯びて「忘れはしない」と言葉はもれ、「何を」と己に問いかけたなら、語るにふさわしい名はそれしか知らない、と耳の奥で「誰か」が煽った。煽る「誰か」こそ自分自身だと気づけたなら、その自分は忘れて困るその名を「引き上げろ」と目の前で手を振り誘って記憶の底へとその手を浸す。
迷わず握りしめたのは「この先」という言葉だ。
力の限りに手繰り寄せ始めた。
連なりそこから姿を現すのは過去の全てか。
それともこの得も知れぬ懐かしさの正体か。
どちらだろうとかまわなかった。
ただ傍観している場合でこそなく、手繰るその手へ己が手もまた添える。
一人だが二人だった。
そろって力を合わせる。
これでなければならない。
その通りといつからか、背後で子供も火がついたように泣き叫んでいる。鳴き叫んで、失くして途方に暮れているなら、取り戻せたそのとき全てはうまくゆくのだ、と励ました。
たぐり、浮かび上がるほど重みは増して、浸したその先に引き上げられて来る影がうっすら滲み始める。「見えた」。初めて得る、根拠なき欲求の確信が世界を変える。
そうしてついにたぐりおえた「この先」のには、たった一言だ。
言葉がはこう結びつけられていた。
『アルト、だ』
唇から零れ落ちていた。
響きに、また幻をさ迷ったのかと瞬く。
そのたびに濡れてまつ毛は重みを増し、重さが最悪を想像させた。
だがこれが幻だとして、そこで世界は触れることのできるカタチと影をつけて広がっていた。視界を明るい窓へすげかけると、親しみのこもった声で触れていいのだ、とさえ語ってみせる。
『アルトだ』
繰り返して触れていた。
幻どころか、抜け落ちていたモノを取り戻した手ごたえだけがあった。
それが何であるのかは、理解できない。
ただ取り戻せた自身は帰ってきたのだ、と懐かしさを覚える。
懐かしさに安堵の限りこそなかった。
『それがお前さんの、新しい名前か?』
隣でサスが小首をかしげている。
答える前に、両手で涙を拭い取った。
『新しいものじゃない。今、思い出せた』
ふりかえれば、アゴを撫でるサスの面持ちは興味深げだ。
『ほほう』
『これはきっと俺の名前だ。ひどくしっくりくる。生き返った気分だ。間違いない』
『アルトとのう』
繰り返してひどく感心し、かと思えばポン、とひとつ膝を打つ。
『なかなかよい名じゃ』
適当なことを、とは思えなかった。
『俺もそう思う』
言えば、サスは冷やかし笑って立ち上がる。そのまま船首へ歩み寄ると、すっかり乾いたシャツをアンテナの先から回収した。なるほど、地平線はいつしかぼんやり紫がかってきており、仕上がりを確かめたサスは広げたシャツを景気よさげにはたいて振り返る。
『なら、アルトよ』
取り戻したばかりの名で呼ばれ、丸まっていた背筋も伸び上がっていた。
『さっそくじゃが、お前さんに仕事じゃ』
真正面から見つめる顔には、もうよそよそしさの欠片もない。
『フロートのアレを、抗Gネットで吊るしてきてくれ』
気が早いのは老い先短いせいで間違いないだろう。作るしたり顔でサスは、意地悪い忠告さえ放ってみせる。
『言うておくが、重力下での作業は骨が折れるぞ。 いや、まあ、あれはもうお前さんのもんじゃったかな。なら、よけい壊さんように取り扱え』
鼻溜を振って洗い立てのシャツを押し付けた。
『五百セコンド後、アーツェへ向かいここを発つぞ』
『五百セコンド?』
『わしは待たんからの』
それきりとっとと、船側の足場を伝い降りてゆく。
『な、おいッ』
追いかけるべく、慌てて頭からシャツをかぶっていた。太陽の匂いがたまらなく心地よい。カラリとした肌触りも、いてもたってもいられない気分をあおって止まなかった。 翻して弾かれたようにうに尻を持ち上げる。
『じいさん、それじゃ短すぎるだろッ』
「この先」に必要なものは、もうそろっていると思えてならなかった。行ける場所はなくとも行きたい場所なら選び出せそうで、取り戻した名が導いてくれると信じられた。いや、その名を取り戻した自分を信じることができていた。
「だいたい高周波ブレードっていえば熱傷だ。サスのやつ、適当に癒着絆で済ませるから跡が残ったんだ」
専門分野が違うとこうもずさんになるものかと、アルトは眉を寄せてネオンの指さしたそこへアゴを引く。
「癒着絆は裂傷用で、もう少し説明書……」
と隠して、ネオンが額を押しつけた。軽く振れた鼻先で温度を確かめる。
「どうか、したか?」
少しばかり戸惑って、アルトはその背へと手をあてがった。
「ちょっと驚いただけ」
わけを明かしてネオンは続ける。
「名前の理由、知らなかったから」
「最初からそうだ。離れたせいで、なおさら強く感じただけさ」
「いつだって懐かしい匂いがする」
吸い込んだ声がくぐもっていた。
「けど、おかしいな……」
ままに伸びたネオンの腕がアルトの脇を、くぐりぬける。
「近づけば近づくほど知らないことだらけ。どんどん別の誰かに思えてくる。淋しいって思えて仕方なくなる」
しがみつく力でそれ以上を、理屈の外へと押しやった。そこからこぼれた全てを引き受けたなら、アルトもまた色の薄い髪がかかる首筋へアゴを絡ませる。引き寄せたカタチがこうも馴染むのは、同じ名の元にあるもう一人の自分だからで間違いないだろう。だからこそ笑っていた。
「何言ってんだ。お前らしくねーな」
この言葉を選ばせたのも、きっと青からの問いかけに違いない。
「そういう時はだな、切ない、って言うもんなんだよ。ばーか」
応えて笑った息が胸元に湿っぽさを残す。
身を離したネオンが顔を持ち上げていた。
『ハードボイルドワルツ有機体ブルース 2.5』終
ハードボイルドワルツ有機体ブルース 2.5 N.river @nriver2
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