第3話

美人上司が俺にだけ甘い理由は未だ不明だが。

とりあえず、隣人としての挨拶をきちんと済ませようと思い、菓子折りを手渡した。


「山吹くん、やっぱり礼儀正しいのね...!」


「ねぇ、紅茶でも飲んでいかない??」


「あ、いや、俺、これから用事があるんで


「そっかあ。それは残念だな。

じゃあまた、いつでもおいでよ。

待ってるからさ」


「あ、は、はい」


もしかしたら美人上司は俺に気があるのかもしれなかった。


ふつー、男を部屋に上げようとしてくれるなんて、その男のこと、気に入ってなきゃなかなかできないよな、と、この時思った。



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