椎木サラはオフィーリアにはならない筈。
ohne Warum|
第1話
🎻「全く うちの
🐈⬛「砂漠の雷鳥が 唐揚げ弁当を横取りしに急降下、我々の現実が今 脅かされている。"19人の小人が白雪姫の城を破滅に導くであろう"、という言説を囮に、博物館の剥製のネームプレートに その名を落書きしてしまう鼠が一匹。その名も"月光の空き缶シュート716"。」
🎻「パン粉に懐かしさを捉えようと、月光の伝道師の描(えが)く絵に取り残された ガラスケースの滲みは カベルネソーヴィニョンではなく、藪鶯(ヤブウグイス)の涙から抽出した染料を 宇宙の法則によって その構造を改編したもの。此処は何処?ナタデココ?あたし何線乗ってるんだっけか。」
🎻「唐揚げが狙われようと、その鳥ごと捨てたらいい。確認作業と投影合戦に終わる街並みに終わりは訪れたとしても、それではステーキの取りすぎにも程がある。悲しくて仕方が無いったらありゃしないナぁ。」
🎻「虚しさの先の街燈であれば ローデンバッハが残している。"Les Revérbères", 夢見る絵描き、ベレー帽。"彼の名刺に持ってこい"、ですよね。白猫は誤魔化せない。夢猫同様、笑わない。台詞では笑ったとしても、それではこの世は人形劇で終わってしまえる。人や街へと投影したって その先には絶望しかないことを知っているのは誰でもない あなただ。音楽とともにマグリットを見つめて。その先の岡上淑子や野中ユリ、またはヴィルヘルムハマスホイ。それとも他に 空虚の食卓でもお探しで?ただの妄言さ。夢遊少女は誤魔化せない。不在少年も人間たちには草臥れた。"劇場が我々の投影先だ"。転校生なら時を戻せる、先輩は未来へ侵攻する、凛子は齧り去る、人に寄り添うことができるのは彼女だけ。妙吉凛子は何処にでも不在する。その青リンゴをワインレッドへと漂白出来るのなら、この世はダンテの地獄だね。あたしの結界なら上條家跡地にある。唯一の芸術劇場だから。人は冬に魚に落ち着く。泳ぎすぎたんだ。引き返せばよかった。あたしはあなたを見捨てない。けど寄り添うのとは また別。遠くの修道院に何を見る?伝道師が描いたガラスケースに 鳥の剥製は捨てないで。街燈の元へと置き去りにしたらいい。彼もまた 悩ましい毎日を送っているはずだからさ。あとは任せた。」
椎木サラ|水の呼吸: Ophélie, Auguste Schlegel
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