第28話 現場へ
「コーヒーいれるね。」
リンは台所に行きコーヒーの支度。ヤカンにお湯を沸かし、ドリッパーにフイルターをいれサーバーにのせる。それに豆をいれ、沸いたお湯をヤカンからそのまま注ぐ。ヤカンを持って立ったままコーヒーをいれる。そのうち三人も食事を終える。
「コーヒーありがと。お話しようか。」
沙絵は食器を下げながら皆に声をかける。リンは居間のテーブルにカップを並べコーヒーを注ぐ。皆、朝食を食べていた同じ場所に戻る。
「それでね、穴あったよ。おおよその場所なんだけど、行けばすぐわかるから、直に確認に行きます。ようやくスタートライン。かな?」
「早かったね。」リンが言う。
「初めてじゃないから、ここまでは要領を得てるのよ。」
「そうなんですね。」ナズナは相槌。
「どこにあるの?」レイが聞く。
「歩いて行ける所、近いみたい。コーヒー飲んだら行く?」
三人は頷く。
「じゃあ、後は穴を確認してから打ち合わせしよ。」
しばしの団欒のあとコートを着て身支度する。
「天気が良くて良かった。でも寒いからね。じゃあ行こうか。」
ドアを開け外に出るとやさしい太陽。秋とも冬とも言えない風が吹く。沙絵が先頭を歩く。沙絵の後にリン、その後にレイとナズナが並んで歩く。見慣れた道を歩く。たてに並ぶ三人の影。
沙絵が案内した先は、ナズナの家。
「ナズナちゃんちだね。」
沙絵は知ってか知らずかつぶやく。
「そうですね。うち上がります?」
ナズナもたいして驚く訳でもなく言った。三人は頷く。
「では、ちょっと待ってて下さい。人を上げれる状態か確認してきます。10分しないうちに戻りますので、すいません。」
ナズナはドアまで駆けて鍵を開け、家の中に入っていった。
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