第26話 記憶
カーテンの隙間から日が差し込む。ナズナは起き上がり、昨日着ていた服を着る。一人じゃない夜は終わってしまった。
『クッキー買った所からやり直したいな』そんなことを考えていた。レイは「うーん」と言って頭から布団を被る。レイを起こさないようにドアを静かに開け部屋を出る。
沙絵はフライパンで目玉焼き。ウインナーも焼いてある。
「おはよう。まだ寝てていいんだよ。」
沙絵は振り向かずに言った。
「おはようございます。トイレに行ってきます。」と遠慮がちに応える。トイレからでてくるとレイがパジャマ姿で立っている。
「なんだトイレ行ってたのか。はやいね。」と目をこすっている。まだ目が開いていない。
「レイ、リン起こしてきて。」
「あい。」
レイはリンの部屋に向かう。
「ナズナちゃんこれ、あっちに運んでくれる。」
「はい。」ナズナは朝食を運ぶ。
「起きろー。」
ガンガン、ガラガラ。ノックし容赦なく、部屋の戸は開かれた。
そしてまた
「起きろー。」の声。
「わかったよ。」リンは目覚めたようだ。
ナズナは楽しそうに皿や茶碗を運んでいる。記憶が朧げに蘇る。父と母と過ごした日々の記憶。
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