桜の咲くように

桜の花が咲いている

まだ五分咲きだろうか

満開の時期が楽しみだ

桜は余計なお世話だと

顔をしかめるだろうか

それとも楽しみにしてろと

余裕で笑うだろうか


桜のつぼみは1つのつぼみで

5つの花を咲かすという

だから花が咲くと

あんな風に荘厳に見えるらしい


そもそも桜の花は

一輪一輪はそれほど大きくない

もちろんとても愛らしいけど

どれにも春の生命が息吹いているけど


その花が

どれも一生懸命咲いている花が

小さな花が集まって

みんなで咲いて

そんな桜の樹の美しさに胸が打たれる

その美しさに心が震える


決定的なシーンで大逆転の

ドラマティックな活躍もいいけど

ヒマワリのような一輪咲の鮮やかさも

素敵だけど

桜の花のように積み重なった

小さな結果の集まりだって

とても感動的だと思う

とても胸を打つと思う


だってどのつぼみが

1つ手を抜いても

満開にはならないのだから


だってどのつぼみも

1つも手を抜かず

満開に咲いているのだから


春の花咲く桜のころ

僕も花を咲かせられるだろうか

たとえ小さくても

積み重ねたその小さな結果は

その桜の樹の中で

あの感動的な桜の花のように

美しく咲き誇れるだろうか

人々の心に

春の喜びを与えられるだろうか


やがて春が終わり

一斉に花びらが舞う桜が終わるそのころまで

その一瞬のような時の流れの間に


少なくても5つくらいは

自分の花を咲かせたいものだ

あの桜の花のように


余計なお世話だと

笑っているような

あの桜の花のように

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