第47話 五十過ぎの人々へ

飢餓さいなまれずその年まで生きてきたのですから、凄い事ですよ。大変なラッキーですよ。江戸時代までは人の定命は五十年と言われていました。だから皆四十過ぎで隠居したんです。五十歳というのは、当時の平均寿命を超える大変な長生きでとてもおめでたいことだったのです。


あなたはそのおめでたい年まで、なんとか生き延びることができました。もし今のあなたが江戸時代に生を受けていたならば、おそらく35、6歳で消耗しきって貧窮の中で野垂れ死にしていたでしょう。現代の日本に生まれた幸せを噛みしめてください。


そしてその年齢になるまで、辛いこと悲しいこと悔しい事を自分の中で克服しながら、生き抜いてきたあなた自身を誉めてあげてください。


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