第3話 怒らない事

ほぼ総ての悩みは『怒り』から生じます。絶望や悲嘆でさえも怒りの変形と言えるでしょう。


健康、学歴、待遇、年収、名声、評判、容姿、権力、運命、自分、友人、親兄弟、配偶者、他人、社会、国家、まったく浜の真砂は尽きるとも世に怒る題材には事欠きません。

それでも怒ってはいけません。それは難しいことではあるが、生きるために必要なことでもあります。怒る事を辞めさえすれば、あなたの不幸は霧散解消するでしょう。



”対象を容認すれば愛情が生まれるし、拒絶すれば怒りが生じる。すべて私自身の問題である。

バラは人を喜ばせるために咲いているのではなく、ゴキブリは人を不快にさせるために存在するのでもない。すべて自分自身が勝手に決めているのだ。

感情は育った文化によりマインドコントロールされている。インドやスリランカでは魚の生き作りなど残酷で食べられない。

私が正しいと思うから怒る。私は不完全で間違いだらけだと思えば怒らない。自分に都合のよい結果を求めるのは無知である。世界はあなたの都合など知ったことではないのだ。

自分は完全ではないし、他人にも求めないとの思考が、落ち着いて生きていける秘訣だ。

競争には勝ち負けがあって当然、どちらもそのまま受け入れれば良く、怒る必要はない。

怒りの原因はエゴ、私はこれをやるべき、私は認められるべき、というくだらない思考が幸福の妨げになる。

怒りは波動となり、自分だけでなく他人の幸福まで奪ってしまう。だから怒ってはならぬのだ。

世の中で怒る人程、頭の悪い人はいない。怒るのは自分が馬鹿なんだと徹底的に心に刻み込まねばならぬ。怒りを鎮めるには、すぐに自分の心を観ること、あ、これは怒りの感情だ、気持ち悪いと外に向けている目を内に向ける。心を観る事で怒りはすぐに消える。

私は何者でもないと思う事。東大卒でもこの部屋を掃除しなさいと言われたら、はいと言って掃除すればいい、それだけだ。

能力がないことで自分を怒る必要はない。できるひとがやればいい。ピアノが弾きない人がピアノを弾ける人に対して悔しがる必要があるか?

 『私が』とのエゴを捨てればすむ話なのだ。相手にいかに批判されても、どうぞご勝手に、との態度でいればいい。勇気が必要かもしれないが問題は解決する。”


以上「怒らないこと 役に立つ初期仏教法話1」 

アルボムッレス・スマナサーラ著より内容要約


怒らなければ不幸を感じない。だからもう少し気楽に生きてみませんか。

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