第2話 メメントモリ(死を思え)

人生が幸せな人はどうでもよろしい。勝手に幸福感に酔いしれていれば良い。いい人生ですね。おめでとう。うらやましいですよ。末永くお幸せに。


そうでないものには生きることはつらいよなあ。よくわかります。どうして俺は、私は不幸なのだろう? いくら考えても答えは出てこない。人生煮詰まるばかりで溜息しかでてこない。


でも心配しなくてもいいです。なぜなら幸福にも不幸にも時間制限があるのです。


いいですかどんな人間でも必ず死ぬのです。ビルゲイツもザッハークもジェフ・ベゾスも孫正義も前澤友作もホリエモンもひろゆき必ず死ぬのです(アップル王国を築いたスティーブジョブズはもう死んじゃった)。彼らがつくりあげた帝国も巨万の富も死んだら無になります。あの世にはびた一文もっていけません。


スティーブジョブズはiPodもiPhoneもiPadも、人類の半分は知っているであろう輝かしい名声も、死後の世界には持ち込めないのです。残念でしたご愁傷さまです。


死はすべての人に平等です。あいつは幸福の絶頂であなたは不幸のどん底、いいではないですか。たかだか数十年のことじゃないですか。


数十回、地球が太陽のまわるだけの間、数十回、桜が咲くだけの間のことじゃないですか。

短い短い。人生なんて本当に短いもんです。幸福な奴は勝手に酔いしれさせておきましょう。


もう一度いいます。すべての人に死は訪れ誰も死からは逃れられません。


死の判決はこの理不尽極まる世界において唯一平等です。


だからもう少し気楽に生きてみませんか。


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