004話ヨシ! 5日後×2、異世界を満喫できる猛者はおるか
気がつけば、5日も寝込んでいた。
家族は、俺が元々、兄の入学の話をきいてから落ち込んでいたので、ただの体調不良と思ってくれたようだ。
うん、多分、原因はアレだ。
オーラの測定器。
係員のお姉さんも、触ったら危ないとか言ってたし。
頭痛かったし、すぐにゲロったし、5日寝込むくらいだし。
ひょっとしたら『10歳でオーラ測定』というのは、『そのくらいの年齢にならないと身体の負担が大きい』という事なのかもしれない。
(── うん、多分、間違いない。
バレたらこっぴどく怒られるパターンですね、これ。
よし、黙っておこうっ)
ただ、そんなキツい目にあったおかげで、得た物もあった。
「これが、オーラか……」
測定器を触ったときの、何かを吸い取られるような感覚。
それを自分なりに再現すると、手の平に黄色い光が集まるようになった。
なるほど。
あの機械は、オーラの測定器だけじゃなく、同時にオーラの操作する感覚を教える、補助器みたいな物なんだろう。
もしかしたら、扱えるようになるまで、感覚を覚えるために何度も触らせるのかも知れない。
まだ肉体上5歳児の俺は、ヒドい目にあったとトラウマになるくらいに強烈な体験だったせいか、一発でオーラが操れるようになった。
さあいくぜ、俺の最強ライフ!
俺による、俺のための、
名付けて、
「── そのためには、まずは修行だ!」
いくぜオーラを極限まで消費。
そして十分な休養で『超回復』!
── これが最新医学が証明する、科学的トレーニングだ!
コレが俺の転生
最先端の運動生理学
オーラ集中!
どりゃああ!
うりゃあ!
うら、うら!
うらぁぁ……うぁあ……っ
ん~……あぁ……おん?
ぁあ…………お、ぁ……ぅう?
………………
…………
……
▲ ▽ ▲ ▽
気がつけば、5日も寝込んでいた。(2回目)
体調不良と思われていたのか、両親は風邪か何かと思ってくれたようだ。(2回目)
いきなり通算10日も無駄にしてしまった。
ってか、俺、同じ失敗を2回やる事多過ぎじゃない!?
(── うわ……ワタシの学習能力ひくすぎ!?)
それはともかく。
思い返せば、10日前にオーラ測定器に触ったときも、5日前にぶっ倒れる前も、どちらも頭痛めまい息切れがひどかった。
『低酸素症』ならぬ『低オーラ症』みたいな感じなのかも。
いわゆる危険信号なんだろう、この吐き気とか頭痛とか。
パパの言うとおり、子供のうちはやめておいた方がいいのだろうか。
10歳くらいに成長するまで待った方がいいのか。
やっぱり、『超回復』なんて非科学的!
時代遅れのガバ理論でしかないのか……!?
「いやいや。
新学期のスタートが大事って、進●ゼミもいってたから……」
転生スタートダッシュ特典でクラスのみんなと差を付けよう!
入学前の
「そう!
将来の
今ならまだ間に合う。
人生大逆転、その最後のチャンスなのだ!!
それに、オーラもあれだ。
単純に体調不良のせいとか、体力不足とか、そういう可能性もある。
とにかく手堅い所から始めよう。
まずは、無理をしない程度のオーラの特訓。
(── まずは、オーラを手の平に集中、集中……
よしよし、手がぼんやり黄色に光ってるぞ……っ)
これを増量するのが当面の目標だ!
マンガみたいに『ヴワァン! ヴワァン! ヴワァン!』って全身から炎が立ち上るくらいに。
スーパーなアット戦士に、俺はなる!
ついでに、オーラを手から放とうとしてみる。
(オラッ、
両手で連打の通称・
……まあ、結果は残念。
ピクリとも発射できないが。
そんな感じの自己流トレーニングを続け、頭が痛くなりだしたら止める。
無理は禁物。
また寝込んでしまったら元も子もない。
次は体力トレーニング。
まずはご近所のランニング。
(……いかん、ゲロった)
1時間休んでも、ぜんぜん頭痛が治らないし。
さらに、走っている間も意識が飛びそうになる。
日勤・夜勤・日勤の三連勤務をこなした夕方並の体調だ。
(失敗した……反対にした方がいいな)
絶対、トレーニングの順番は、逆の方がいい。
軽いランニングで身体を温めて、お家でゆっくりオーラ・トレーニング。
頭が痛くなったら、さっさと寝る。
すっきり12時間寝たら、さすがに頭痛が治っていた。
時々、夕飯を食べる前に寝てしまい、夜中に目が覚めたりもするけど。
▲ ▽ ▲ ▽
自己流トレーニングの、手探りな
それでも、地道に30日も続けていれば、少しはオーラの量が増えてきた気がする。
(……この明るさっ
断言しよう、最初の頃よりも推定10%くらいは明るい!)
やったあ!
継続は
進●ゼミは本当だったんだ!
俺も、近い将来に絶対、
── 『あ、この敵の倒し方、
って
「アットが……
弟が、なんか、ひとりで高笑いしながら走り回ってる……っ」
姉ちゃん、白い目でみないでください。
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