住人(居候)が増えました!
ぐぅぐぅ…………
・
・
・
・
・
『聞こえますか?』
・
・
・
・
・
・
ぐぅぐぅ…………
・
・
・
・
・
・
『起きて』
・
・
・
・
・
・
ぐぅぐぅぐぅ…………
・
・
・
・
・
・
『そーーーーーーい!!!』
ドカンッ!?
「なななっなに!?何事!!!?」
急にベットから落ちて気が動転していた私は暗がりの中、光源を見付けると目をやった。
そこには全身から淡い光を放ちながら佇む、髪の長い美女が立っていた。
「貴女は……誰?」
『ようやく目が覚めましたか。私の名前はスフィアです。この世界で女神と呼ばれている存在です。今回は─』
「お前かーーーーー!!!!!!!!!」
びくっ!?
『えっ?えっ??えっ???』
シオンは自称女神スフィアの頬っぺたを両手でつねりながら大声で叫んだ!
「あんたが私をこの世界へ転生させた犯人か~!ど~う~し~て~私が~悪~役~令~嬢~な~の~よ~!!!」
『ひ~は~い~!!!』
自称女神(笑)はジタバタと目に涙を浮かべてやめてと懇願した。
「はぁはぁ………」
『ううぅぅ、酷いです~何か女神様に恨みでもあるんですか~!』
シオンはキッパリと恨みがあると言った。
『これは失敗しました。まさか女神様に恨みがあるなんて………』
自称女神(笑)はよよよっと、床に倒れるように泣き真似(マジ泣きしてます)をしてチラッとシオンの方を見つめた。
「私としたことが取り乱して悪かったわ。修道院の入口と裏口にはウッドゴーレムを警備に立たせていたのだけれど………どこから入ってきたのよ?それと本当に女神(様)なの?」
ようやく本題を聞いて貰えたのでスフィアは喜びの顔で語り出した。
『すみません。私はこの修道院の守護精霊なんです。シオンがこの修道院を直してくれたので、そのお礼に来ました。女神様を騙ったのはその方が有り難みがあるかなぁ~と思ってです!』
この守護精霊…………ダメっぽいぞ!?
「ふわぁ~………お礼は聞いたわ。じゃっ、お休み~」
私はベットに倒れるように寝ようとしたが、このダメ精霊がそれを止めた。
『まま、待って下さい~!寝る前に私と契約して下さい~!』
「ダメ………眠い!また明日の朝にね……」
『ダメです~今の私は夜しか顕現が出来ないんですから~お願いです~!』
シオンは面倒臭そうに起き上がると、あくびを我慢しながら尋ねた。
「どうすれば良いのよ?」
『血を一滴下さい』
「却下!じゃお休み~」
『うわわ!待って下さい~』
「あんたね!契約に血を求めるのは悪魔との契約なのよ?仮にも守護精霊を語るなら魔力とか名前を名付けるとかでしょう!」
『それは誤解です!宗教上の違いですよ!正確には契約には契約者の触媒が必要で、それを摂取しないといけない訳で………』
シオンはポンッと手を打った。
「なんだ、血じゃ無くても良いじゃない」
シオンはズズイッと守護精霊に近付くと─
ぶちゅーーーーー!!!!!
※%#&*☆
守護精霊スフィアは声にならない悲鳴を上げた。
あっん…………ちょっと気持ち良いかも♪などと少し危ない思考を感じつつ、唾液により契約は成立した。
ちなみに、シオンは寝起きが悪いのだ。この後、そのまま床で寝てしまったのが良い例である。幸か不幸か、シオンにこの夜の記憶はほとんど無かったことであろう。早く眠りたい為に、動かぬ思考のままの行動であった。
チュンチュンッ!
「ふわぁ~~~!?」
朝時間で9時頃まで寝ていたシオンは同じフトンで眠っていた守護精霊スフィアに驚き、叩き落とした。
ドテンッ!?
「あいたっ!」
「貴女だれよ!?」
ベットから落とされ、頭をさすりながらスフィアは答えた。
「ええーーー!覚えていないのですか!?昨日はあんなに愛しあったと言うのに!お姉様~♪」
??????
シオンは頭を回転させて思い出す。
「あ…………あーーーーーー!!!!!なんか昨日の夜に出て来たわね!」
「そうです!そして熱い夜を………痛たたた!」
シオンはアイアンクローを喰らわせて詳細を確認した。
「なるほど。よくわからないけど、私が契約者となって魔力供給が出来るようになったから言葉の発音も普通になって、昼間でも顕現出来るようになったと?」
「そうです!前の院長さんはすごく良い人でしたが魔力がなく、私の姿や声が聞こえませんでした。なんとか生活が出来るように、田畑の成長を良くして豊作にし、結界を張って魔物が近付かないようにしていました」
このスフィアは本当に守護精霊のようだ。
「取り敢えず話しはわかったわ。ここで生活をしていく上で、周辺の情報を教えてちょうだい」
シオンは身仕度を整えてから、スフィアに周辺に何があるのか確認しながら移動を開始した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます