第62話 踊れや踊れ!猫踊り!4
苗宮家。
スズとジャミーラはぐったりとしていた。
「シャラヒメ、アイツ気弱なふうで教え方スパルタだにゃ……くたびれたにゃー」
「なかなかうまくいかないわぁ……アブちゃんと全然リズム合わないのよぉ」
「オマエ、ダンスは得意なんじゃないのにゃ? 意識しすぎて固くなってんじゃないかにゃ?」
「うるさいわねぇ、どう見ても両思いのそっちとは事情が違うのよぉ」
「べっ別に両思いとか決まったわけじゃ……」
「はいはい、あーヤキモチやいちゃうわぁー」
「……オマエだって、きっといけると思うにゃ。スズも必要なら協力してやるにゃ。オマエらがうまくいったら、うれしいにゃ」
「何よぉ急に」
「オマエにも、いろいろ世話になってるからにゃ。オマエが幸せになった方が、そりゃ、うれしいにゃ」
「うっわ気持ち悪っ! スズどうしたの急にしおらしくなって! なんか拾い食いでもしたのかしらぁ!?」
「そんな反応されるなら、やめるにゃ」
「えぇースズちょっとどうしたのーかーわーいーいー! なでなでしたくなっちゃうわぁ!」
「フシャーッ!! 触るなにゃ!!」
「フフッ。……ありがとぉスズ。おかげで元気出たわぁ」
「そりゃどうもだにゃ。んじゃ、練習に戻るにゃ」
「うふふ。……応援してるわよぉ、スズ」
「……こっちこそだにゃ」
苗宮家、別の場所。
キウイとアブリマルが、おやつを食べながら休憩していた。
「あー、なんか張り合いねえぜ。殴り合いのバトルをちょっと期待してたし、ホントは一番踊りたいだろうシャラヒメにその気がねえし。
なんのためのバトルなんだか分かりゃしねえ。ねえ、アニキ?」
キウイは考え込んでいた。
「そうなんだよね。猫と犬がなんで争うのか、ちょっと引っかかってた。
ワン・チャンは言ってたよね、犬が人の友としてもっともすぐれた種であると知らしめるって。
なら、この争いには、もっとも大事な存在が欠けてるんだ」
アブリマルはその言葉を聞き、考え、言った。
「……人間、ですかい」
キウイはうなずき、立ち上がった。
「母ちゃんと親父に相談してみるよ。この戦いを、どうせなら、みんなが悔いなく楽しめるようにするんだ」
「「うぃーんがしょーんぎゅいぎゅいぎゅるーん」」
「カムカムとハンサミィちゃん、ロボットダンスのシンクロが半端ないですねー。興奮して触手がうねうねしちゃいますー」うねうね
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