第60話 踊れや踊れ!猫踊り!2

「えっと、それじゃあ、踊りを教えるから、二人一組を作って、ほしいなって……」


 苗宮家。

 面々は食事などしてなじんでから、ダンスレッスンを開始することにした。


「二人一組ねぇ。スズは当然、ダーリンと組むでしょぉ?」


「そんな当然とか……まあ、組むけどにゃ」


「わたくしはどうしようかしらぁ、ハンサミィは……」


「あ、ボクはカムカム君と組むよ」


「は?」


 キャスパリーグのハンサミィと招き猫カムカムは肩を組んだ。


「イケメンクールと無機質クールで、ダブルクールの結成さ!」


「要請を受け、カムカムは完璧なるロボットダンスを披露する」


「えぇ……」


 ジャミーラは横を見た。アブリマルがいた。


「なんだよジャミーラさん、オレサマじゃイヤなのかよ」


「別にイヤじゃないけどぉ」


「シャラヒメが踊ってくれりゃあいいのになあ。あいつマジで踊りうめぇし、あいつがペアになってほしいって言ったら喜んで組むのによぉ」


「……むぅ」


「イデデデ! 足の小指踏むのマジでダメだってジャミーラさん! なんなんだよもう!」


「知らないわよぉ」


 そしてジャミーラは、スズの視線に気づいた。


「ジャミーラ、オマエ、怪しいと思ってたけどやっぱり……」


「な、何よぉスズ?」


「…………」にっこり


「無言で親指立てるんじゃないわよ!!」ぽいっ


「パンツ!! フレーメン反応ッ!!」


「誰のパンツっスかそれ……」


 そこにジャージに着替えたキウイが戻ってきた。


「とりあえず動きやすい服装にはしたけど、本番もこれじゃパッとしないよねえ。

 みんなはダンスに映える衣装とかあるの?」


「スズたちは……ハッ」


 猫たちは気配を感じ、振り向いた。

 イカ人間獣医セピアが、ねばつくような笑顔を浮かべ、巻尺を伸ばしていた。


「うふふふふ、みんなに似合うかわいい服を仕立ててあげますねー。

 大丈夫ですよー私におまかせですよーすべてゆだねてもらえれば私がかわいーくかわゆーくおめかししてあげますからねーデュフフフフ」


 全員が、これからセピアの着せ替え人形になり、逃げられないのだと悟った。

 その後テンションの上がりまくったセピアのファッションショーは、深夜まで続いた。


「本番まであんまり日にちないんだけどなあ……大丈夫かなあ」

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