第49話 神話を超えて!世界樹ユグドラシル!1
「母ちゃん、ハンサミィをお願い。マタタビエリクサーで回復はしたけど、休ませてあげたいんだ」
キウイはそして、スズと並び、父の姿を見上げた。
「ここからは、俺とスズが戦うよ」
父は。
世界樹の化身カイジュは、にぃっと笑った。
「いい顔しとるな、息子よ。心躍るぜ」
返事はしない。
無言で構え、にらみ合う。
そして。
「もぎたてカバラ!!」
ジュース攻撃が戦いの号令!
初撃をかわし!
「限界まで毛玉を吐いて投げつけるにゃ! おぼろろろ!」
「マタタビエリクサー! スズに最大限の活力を与えてパワーアップだ!」
「がははは! 昨日はワシの力にビビッとったが、今日は張り切っとるな! いきなり全力だとバテるぞ?」
「出し惜しみなんてできるわけないにゃ!
ジャミーラが、アブリマルが、ハンサミィが! あれだけがんばってるのを見て!
スズは! スズだって! キウイたちと一緒にいたいにゃ!!」
「んまーッアオハルしてるわねー! おっさんのワシにはまぶしいわッ! だが勝負は別の話だもんね! もぎたてカバラ!!」
「にゃにゃーっ!?」
「うわーっ!!」
果汁猛烈!
スズはキウイとともにはじき飛ばされた!
「まだまだっ……! スズ、いける!?」
「当然にゃ!」
互いに支え合いながら、キウイとスズは立ち上がる。
「ここで負けたら、猫と人間は離れ離れだにゃ! それを防ぐためなら、スズは、命だって惜しくないにゃ!!」
「聞き捨てならんなー! 親からもらった大切な命、大切にしなさい!」
「どの口が言うかクソ親父! あんた俺になんて言った!?」
「あーあー聞こえなーい。口ごたえするなら、ワシ本気出しちゃうもんねー」
世界樹の根が展開した。
神々のエネルギーが、カイジュに、その胸の十個の果実に凝縮した。
「……!」
エネルギーの大きさを、絶望感を、キウイとスズは感じ取った。
スズは意識せず、キウイの手を強く握った。キウイは握り返した。
「スズ。スズは今、猫と人とが離れ離れにならないためなら、命だって惜しくないって言ったね。
俺も同じ気持ちだよ。みんなと一緒にいるためなら、俺だって命なんて惜しくない……!」
「キウイ……!」
カイジュの術が、練り上がった。
「
世界を終わらせ、再誕させるほどのエネルギージュースが、二人をめがけてほとばしった。
スズは、嘔吐した。
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