第847話あゆの詮索
「え、遊ぶ場所ってここですかぁ?」
「あぁ」
「ここ変な人とか居そうですよ〜?」
「え」
確かに言われてみればこういうところってちょっとガラの悪い人がいるイメージはあってしまう。
「大丈夫大丈夫、もしそーくんにちょっかいかけるようなやつがいたら私が黙らせてあげるからっ!」
どう考えてもそれは女子側が言うことじゃない。
「それに時間もそんなに遅い時間じゃないし、大丈夫じゃないかな?」
「確かに」
俺たちはそう結論づけて店内に入り、早速ボウリングを始めることにした。
「じゃあ結愛、私と1対1で勝負しようよ」
「え〜、初音と戦うのなんて本当は嫌だけど初音がそういうなら勝負しよっか〜」
そして次の瞬間本当は嫌と言っていた割には結愛はストライクを決めた。
・・・発言と行動が一致しなさすぎにも程があるな。
「先輩先輩、やっぱり何かあったんじゃないですかぁ?あの2人が本当にいきなり仲良くなるなんて信じられないんですけど〜」
「まぁ、色々あったんじゃないか?」
「色々ってなんですか〜?」
あゆは俺から何かを聞き出したいようだが、変に拗れても嫌だし特に何も言わないでおこう。
「そういえば今日は初音先輩とか結愛先輩は先輩に対してボディタッチ少ないですね〜、もしかして喧嘩とかしてるんですかぁ?」
「いや、してない、喧嘩してるなら一緒に遊ぼうなんてことにはならないだろ?」
「それもそうですね〜」
・・・やっぱりあゆはほとんど何も話していないのにもう俺たちの関係性の異変に気づいているみたいだ。
だが別に俺たちの関係性が変わってようとあゆには関係ないはずなのに、どうしてあゆはそんなことを知りたがるんだろうか。
「私たちもボウリングしますか〜?」
「あぁ、そうしよう」
俺がボウリング球を持ったところで、あゆが大きな声で叫んだ。
「あ〜、せんぱ〜い、あゆ重くて持てないですぅ〜」
今まで散々俺の目の前でその力量を見せてきたのに今更そんな可愛い子アピールが通用するわけがない。
「そんな演技が通用するわけないだろ?」
「・・・ちぇっ、面白くないせんぱ〜い」
あゆはそのボウリング球を軽々と手に持った。
そして俺とあゆはボウリング勝負するも・・・
「私の圧勝ですね〜、約束通り私とキスしてください!」
「そんな約束した覚えはない!」
あゆとはあのトイレでの一件以来話して無かったから気まずくなるかとも思ったが、全然そんなことはなくむしろあゆが元気すぎてこっちが困らされている。
「あっちはまだ試合やってるんですね〜」
「そうみたいだな」
初音と結愛はまだまだ続きそうだ、しっかりと白黒つけないと気が済まないんだろうか。
「ちょっと飲み物買いに行きません?」
「あぁ、そうだな」
俺とあゆは2人がボウリングをしている間に、軽く飲み物を買いに行くことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます