第830話結愛が欲しいもの
が、結愛はちょうどその両手が自分の胸部に当たるように自分の体を移動させてきて、俺がその胸部を自ら触りに行ったかのようになった。
「しまっ・・・」
「そーちゃんのその想いに応えてあげるね!」
「ま、待て!今のは───────」
「大丈夫、私はあの虫と違って今すぐにでもそーちゃんの子供が欲しいっていうわけじゃないの、私が欲しいのは、あくまでも既成事実・・・!もちろんそーちゃんが今すぐにでも子供が欲しいって言うんだったら、何回でも協力するけどね!」
初音と相対して最近は勘違いしていたが、やはり結愛もそれ相応に狂っている・・・きっとただの幼馴染で恋愛感情なんて無ければ結愛がここまで狂ったりすることはなかっただろう。
「邪魔が入らないうちに、しちゃおっか」
そう言って今度は俺のズボンを下ろそうとする結愛の手を俺は抑える。
さっきは手を繋ぐと解釈されるかもしれないと怯えていたがそんなことも言ってられない状況だ。
「そーちゃん・・・」
「んっ!?」
結愛は俺の両手が塞がったことを良いことに顔を近づけてきた。
これは・・・キスしようとしている流れだ。
浮気相手とこうしてベッドに居るだけでまずいのにキスまでしたら本当にもう取り返しがつかない可能性がある。
俺は力づくで結愛の手から自分の手を離して自分の顔を手で覆う。
「じゃあ・・・」
結愛はまたも俺のズボンに手をかけた。
ダメだ、どちらかを守りたければどちらかを犠牲にするしか無いのか・・・そうだ、わかった。
俺が結愛に欲情とかしなければ良いんだ。
欲情しなければおそらく結愛がしようとしていることもできないはずだ。
「・・・よし」
「よしって・・・良いの?」
「あぁ」
俺は手で顔だけを覆うことにした。
そのせいでズボンは無防備だが、関係ない。
俺が性的な意味で興奮さえしなければ問題ないはずだ。
「ふ〜ん、受け入れてくれるってことかな?遠慮なくするよ〜」
結愛は俺のズボンを下ろした。
大丈夫・・・無だ、心を無にするんだ。
「ん〜!下着の上から触っても可愛いなぁ〜、なんでこんなのがついてるのそーちゃん!きっと私のためだよね〜」
なんてことを言い、下着の上から俺のそれを撫でている。
無心・・・無心。
結愛は俺の下着までをも脱がせてきた。
だが俺はそれでも無心を貫いている。
「あれ・・・元気無いんだね」
「・・・・・・」
「・・・そっか!わかったよそーちゃん、さてはこれを大きくしないために我慢してるんでしょ!でも無駄だよ」
それから結愛は、驚くべき行動を取った。
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