俺の転校先の学校の隣の席は完璧美少女元カノだったー嫉妬さえ失くしてくれたら完璧美少女なのに〜

第658話テストは後半？

「え、で、でも──────」

「もうテストがどうのなんて関係無い雰囲気になってるのわからない？」

　初音は結愛に語りかけるように言う。

「は？どういうこと？」

「だから、もうテストとか関係無くそーくんと私は恋人の、そういう雰囲気になってるの」

　さっきまでテストがどうのって言ってたのに・・・流石の機転だ。

「なってないよ、さっきだってそーちゃんのこと全然わかってなかったじゃん」

「あれは行為を通してそーくんにもっと性に対して貪欲になってもらおうとしただけ、その意図も読み取れないなんて、空気を読む力もないの？」

「・・・これ以上話しても無駄みたいだけど、服を脱がせて下着姿になったんだからここからは後半、だから私の番だよね？」

「・・・そーくん、言ってあげて」

「・・・え？お、俺？」

　この空気感でいきなり俺が名指しされたため、少し困惑してしまう。

「い、言うって何をだ？」

「もうこの女なんかが付け入る隙なんて無いって教えてあげてってこと」

「あ、え、えーっと・・・」

　た、確かにテストなんて項目でも恋人以外とそういうことをするのは絶対にダメなことだけどさっき初音と結愛で前半後半で分かれるみたいな約束もしてたしな・・・俺にどう答えろって言うんだ・・・？

「・・・はぁ、そーちゃんがそんなことできるわけないのにね、本当、虫なんかにはそーちゃんのこと何もわからないよね」

　結愛は俺と初音の間に割って入ると、俺の方に向いて・・・

「はいっ！そーちゃん！あんな虫なんかのことキッパリ忘れて、これからは私との未来を描こっ！」

　と、俺の手を握って言う。

「・・・え？そ、それって・・・？」

　いきなりの展開すぎる、み、未来を描く・・・？

「うんっ！今って、私とあの虫どっちかがそーちゃんと婚約するって流れでしょ？そーちゃんのお母さんも悩んでるみたいだから、その決定打になるのが────そーちゃんと初めてを遂げることなのっ！」

「なっ、なんだそれ！？」

　いくらなんでも発想が飛躍しすぎている、人の大事な経験をそんな婚約のために利用するなんて・・・

「あっ、勘違いしないでね？別にそーちゃんの初めてを蔑ろにしようとしてるわけじゃないんだよ？・・・でも、それでもあんな虫なんかと初めてを遂げてそのまま婚約するなんて流れになるよりはずっとマシだと思わない？」

「ちょ、ちょっと待てって、話が飛躍しすぎだろ！？なんでそんなことになってるんだよ！」

「・・・そーちゃんはまだ気付いてないみたいだから教えてあげる」

「俺が・・・気付いてない？」

「その虫は、そーちゃんとの婚約を確実にするために、そーちゃんの初めてを奪おうとしたの」

「奪うんじゃなくて、恋人なんだから普通に行為に及ぼうとしただけ、そーくん、そんな女の口車になんて乗せられたらダメだよ」

　っ・・・お、俺は一体どうすれば───────