第626話もう使えない

「えっ、ちょっ、ちょっと待てって!」


「一度私に口答えしたのにまた私に口答えするんだね、それになんでそーくんは今更私に子種をくれることを躊躇してるの?」


「えっ、だから何度も言ってるけど高校生でそれは早──────」


「前にそーくんが早すぎ────敏感すぎたせいで」


 今早すぎって言おうとしただろ・・・こんな時に考えるようなことじゃないのはわかってるけどあのことについては俺だってだいぶダメージを負ってるんだからあんまり深くは追求しないでほしい・・・


「結局最後までは至れなかったけど、もしあのままそーくんが至ってなかったら今頃子供ができてるかは確実じゃないけど、でもそーくんは私に子種を注いでるよね?」


「・・・そう、かもしれないけど、あれは初音に包丁で刺すって脅されたからで──────」


「嘘、最後の方はそんなことどうでも良くなってたはずだよ?」


「うっ・・・」


 ・・・否定できない。


「だから、今更そーくんが高校生だからなんていう理由で子種を私にくれないっていうのは、もう使えないの」


「っ・・・」


「今のでわかったよね?もうそーくんは私と子供を作るのになんの抵抗感も覚えなくて良いってこと・・・むしろ、今更抵抗感を覚えてそーくんが前にしようとしてたことを帳消しにするなんてそっちの方が酷いよ?」


 俺の胸の奥に刺さる言葉を次々と・・・!

 でもどれも合ってはいるから何も言い返せない・・・


「そ、それは・・・ご、ごめん」


 それに関しては素直に謝るしかない・・・


「・・・はぁ、せっかくそーくんのお母様に会うんだから、その前にはそーくんの子種を授かっておきたかったけど、そーくんのお説教をしないとね・・・」


「・・・・・・」


「それに、今子種を貰おうとしてもそーくんが前みたいに敏感なままだったら前の二の舞になっちゃうもんねー」


「・・・は、はぁ・・・?」


 俺は納得しているのかよくわかっていないのかが初音にわからないギリギリのラインのため息混じりな相槌というややこしいことをする。

 ・・・が、これは俺が意図的にしていることではなく本当によくわかっていないだけだ。


「つ、つまり?な、何が言いたいんだ・・・?」


「今度の行為のために、そーくんを鍛えてあげるってこと」


「鍛える・・・?」


「うんっ♪だからそのためにも、ズボンの上からちょっとだけそーくんのそこを刺激してあげるから、これから2時間ずっと元気にしてね!もしちょっとでも力が抜けたりしたら・・・わかってるよね」


「ぇっ」


 俺は声にもならない声をあげたが、初音は当然そんなことは無視し・・・

 なんでそんなものを持っているのか初音は約1時間半ぐらいの間、ただただ細長い棒を猫を弄ぶかのように擦ったりした。

 ぐっ・・・かなりきついが、このまま子供を作ろうみたいな流れになるよりは・・・!耐えろ、耐えるんだ俺・・・!

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