第424話総明は溶けかける

「・・・ん?」


 ほわぁ・・・なんだこれ、温かくて気持ちいい。これが快感というのだろうか、本当に気持ち────え?


「なっ!ななな何してるんだ!!」


「あっ、ふぉーくん・・・❤︎」


 なんと俺が目を覚ましたら初音が俺のあれを口の中に入れていた。・・・やられた!眠っている間なら気持ちなんて関係ないけどとうとうそこまでやってくるとは・・・って!引き剥がさないと!


「離れっ、ろー!」


「ん〜、ん〜、んっ❤︎」


 やばい、溶ける。これが俗に言う溶けるという表現なのか・・・そ、そうだ!助け呼ぼう!ここは俺たちの家と違って防音なんてないはず!


「誰か!!助けてくれー!!」


 俺は大声で叫んだ。・・・はっ、しまった!

 仮にあゆか天銀が助けに来てくれたとしてもこんなところを見られるのは絶対に嫌だ。まずい、やってしまった。


「どうかしましたか?最王子くん」


 ドアの向こうから天銀の声がする。ま、まずい!


「は、初音も一旦離して───ひやっ!」


 初音が今度は舌を使い始めた。ちょ、無理、死ぬ・・・


「最王子くん・・・?」


 ただでさえ起きたばっかで状況理解が追いついてないのに俺自身がトラブルの火種を呼び込んでしまった・・・


「あ、天銀っ、な、なんでもっ、ないっ・・・うっ」


 だめだ、声に出てしまう。どうにかして初音を引き剥がさないと・・・そうだ!俺は思いついたことを初音に耳打ちする。


「初音、初めてを他人の家でするなんて俺は嫌だから一旦離してくれ!」


「あ・・・」


 俺がそういうと、初音はすぐに俺のそれから口を離した。危なかった、後少しで本当に溶けるところだった・・・でもよかった。

 寝ている時に出してしまったんじゃないかと心配したけどどうやら大丈夫だったらしい。なら・・・

 俺は一旦後で拭けばいいと思い、すぐに下着とズボン、そしてシャツと上着も着てドアを開け、すぐに閉める。中にまだ下着姿でいる初音を見られるわけにはいかないからな・・・


「えーっと、最王子くん、助けて、とは・・・?」


「あ、いや、その・・・だ、大丈夫だ!き、気にしないでくれ!」


「・・・着衣が乱れてますね」


「・・・え?」


 確かに焦って着替えたから着衣が乱れてしまったか・・・だがそこは言い訳ができる。言い訳する必要はないのかもしれないけど天銀に他人の家でそういうことをする変態だとは思われたくないからな。


「あ、ああ、ちょっと着替え途中で・・・」


「では最王子くんの息遣い、脈、少量の汗は着替えを急いでいたから、ということですか?」


「あー、いや・・・んー」


 着替えを急いだだけでそんな状態になるなら俺はもはや病気だな・・・っていうかなんで脈までわかるんだよ。


「・・・あっ、もしかして・・・」


 天銀はそういうと、自分のおでこを俺のおでこに合わせてきた。・・・え?

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