俺の転校先の学校の隣の席は完璧美少女元カノだったー嫉妬さえ失くしてくれたら完璧美少女なのに〜

第420話あゆの焦燥

　初音に告白された状況に酷似してると思ったのは俺だけか・・・？

「で、私とヤるのかヤらないのか、早く決めてもらっちゃっても良いですかぁ〜？あ、断ったらさっき言った通りです」

　やっぱり初音の最初の時と似てるな。あの時はナイフで両手足を切断されたくなかったら付き合ってと告白されて付き合うことにしたんだったな・・・

　大声を出したら助けを呼べそうだけど、そんなことしたらあゆなら間違いなく俺のことを躊躇なく刺してくるだろう。

「あ、あゆ？とりあえず落ち着いて────」

「じゃあまず死ねないところ刺すので、それからもう一度聞きますね」

「・・・え、死ねないところ刺すとか、それは・・・」

「じゃあ死にたいんですか？」

「そ、そう言うわけじゃないけど・・・」

　死にたいわけじゃないけどだからって死ねないところを刺すなんてこともされたくない。想像するだけで痛いし苦しい・・・

「大丈夫です！血がいっぱい出るだけで本当に死にませんから！」

「そんなこと言わないでくれ！余計に嫌になった！」

「じゃあ私とヤりましょう」

　ど、どうする、なんだ、あゆから焦ってる感が出てる気がする・・・

「先輩、何か勘違いしてるみたいですけど〜、もし先輩が断れば最悪私は力ずく先輩を犯すこともできるんですよ？」

「えっ、それじゃ選択肢の意味は────」

「結果的には意味ないかもですけど〜、これは私からの最終警告でもあるんですよ〜？」

「さ、最終警告・・・？」

「はい、普通の恋愛の道に戻るかどうか」

　普通の恋愛って・・・あゆは何を言ってるんだ。

「こんなナイフ持って性的なことを要求するのが普通の恋愛なのか？」

「・・・はっ」

　あゆは何かに気づいたようにその持っていたナイフを落とし、部屋中に金属音が響き渡る。

「私・・・焦ってました・・・」

　あゆは反省反省しているのか、潮らしく小さな声で言った。やっぱり何か焦っていたみたいだ。

「そ、そうか・・・」

「はい、だって目には目をでやばい人にはやばい人で対抗するしかないじゃないですか・・・」

　・・・ここで普通なら「俺の彼女を酷く言うな！」みたいなことを普通の恋人同士なら言えるんだろうけど、生憎俺の場合はそれを言うことができない。

　お世辞にも普通の彼女とは言えないからだ。

「・・・先輩、お願いがあります」

「お願い・・・？」

　この状態でお願いをしてくるとは・・・一体何を願い出てくるんだ？

「何か条件付きで白雪先輩とは別れて私と付き合ってください」

「えぇ・・・それは────」

「もちろん先輩の心情に任せるつもりです」

　し、心情に任せる・・・？条件付きで付き合ってとか言ってるのに果たしてそこに俺の心情は関係あるのか・・・？

「で、条件っていうのは？」

　まずはそれを聞かないと始まらない。

「先輩が私を見てあそこを大きくしたら私と正式にお付き合いしてください」