第411話表面上の浮気?

 俺とあゆはすでに夜ご飯を食べ終わっていて、初音と天銀もご飯は食べ終わっているとのことだった。そして、俺はもうお風呂にも入り終わり、やることがない・・・が、今2人が論争を繰り広げている。


「そーくんの残り湯を堪能するのは私!」


「冗談きついですよ〜白雪先輩〜先輩の次にお風呂に入るのはこの家の所有者である私に決まってるじゃないですかぁ〜」


「私は彼女だからその辺の監督権利があると思うけど?」


「私だって先輩の彼女ですよ?表面上は」


「は?そーくんの彼女は私だけなんだけど」


「あっ、白雪先輩がいない間に先輩と交際したことまだ言ってませんでしたね〜、せんぱ〜い!」


 と、わざとらしく俺に話を振った。そ、そうだった、まだそのことを言ってなかった・・・で、でも落ち着け、落ち着いて対処すれば初音だってわかってくれるはず!・・・多分、おそらく・・・十中八九・・・九分九厘!


「そーくんがそんなことするわけないでしょ?ね〜、そーくん♪」


「そういえば今日学校で最王子くんが二股をしたと噂になっていましたね、本人も認めていたように思えますが・・・」


 天銀!!いずれはバレることだけど言うタイミングというものがある!!


「・・・そーくん?」


「い、いや、それは、その・・・な、成り行きで・・・」


「否定しないの?」


「いや・・・んー、まあ・・・」


「・・・そっか、そーくんは成り行きで浮気しちゃんだね」


「う、浮気っていうか・・・その・・・あ、あくまでも表面上の話で・・・」


 い、今はまだ冷めた感じで怒ってるけどもし初音が実際に学校に行ったらどうなることか・・・学校の人たちは俺たちが学校だけで付き合ってるなんて思ってない、本当に付き合ってると思ってる。

 その空気感に初音が気づかないわけがない・・・初音は俺の怪我が治るまでは多分学校を俺と一緒に休むはず・・・いっそのこと怪我が治らない方がいい気がしてきた。


「そうですよ〜、学校の中だけで恋人なんですから、いいじゃないですかぁ〜」


「そーくんのそーくんに私の許可なく触っといてよく言うよね、本当なら今すぐにでも殺したいところだけど、ここは私の家じゃないからセキュリティ面で不安が残る、だから次に私とそーくんの家に来た時が最期の日だよ」


「は〜い、覚えときま〜す❤︎」


 家に来た時って・・・明日元の家の方に戻るんだったら最期の日は明日ってことになってしまうけど・・・


「・・・そーくん、ちょっと来て」


 俺は初音に車椅子を無理やり押され、初音と2人狭いトイレの中に入ることになってしまった。・・・結局お風呂がどうのって話はどうなったんだ?別に俺としてはどうでもいいけど。


「そーくん」


「ん?」


「出して」


「・・・・・・」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る