第293話羨ましがる霧響
その後も俺は淡々と作業をこなしていった。・・・淡々とと言うのは嘘で、大慌てで初音に下された命令をこなしていった。そして、今は初音のマッサージをさせられている。
「ん・・・」
「変な声を出すな・・・」
俺は今別にやましいことをしているのではなく、普通に足とかを揉んでいるだけだ。変なことは断じてしていない。
「お兄様!今の声はなんですか!?」
霧響が初音の変な声を聞いたのか、すぐに俺の部屋のドアを開けて入ってきた。ちなみに初音は今ベッドで俯きになっていて、俺はその横にあいた空間に座っているという形だ。
「何してるんですか?・・・いえ、ナニしてるんですか?」
言い直さなくていい。変な意味に聞こえるだろ。
「マッサージをしてほしいって言われたからマッサージをしてるんだ」
「羨ましいです!私にもしてください!」
「だめ、今日は私がそーくんのことを絶対服従できる権利を使ってやってもらってるんだから、霧響ちゃんはどっか行ってて」
「ぜ、絶対服従?お兄様を・・・?」
霧響は何やら一度部屋を出ると、財布を持ってきた。そして・・・
「いくらですか?」
「買おうとするな!」
何をしっかり財布まで持ってきてそんな権利を買おうとしてるんだ。
「だってほしいじゃないですか!」
「これはお金で手に入れたんじゃないの、お金で手に入れれるなら私なんて毎日買ってるし」
毎日・・・もしこんなことを毎日させられていたら俺は感覚がおかしくなって初音の言うことを聞くことになんの疑問も抱かないんだろうな・・・だからこそ不安だ。今も俺は周りにほとんど変な人しかいないけど、その変に慣れていってだんだん麻痺していっている気がする。今後自立して働くときにそうなってしまっていたら俺は働けなくなって、本当に一生初音に養ってもらうことになる。それはごめんだ!絶対に俺はこの状況下でも自分を見失わない!そのためにもお試し的な意味でも早くバイトをしないとな・・・
「じゃあどうやって手に入れたんですか!?」
「秘密♪」
「あー!!!!!!!!!」
霧響は部屋から飛び出して行った。
ー霧響Partー
「絶対服従ってなんなんですか!」
もし私がそんな権利を得たらマッサージなんかではなくまずは手始めにお兄様に子種をもらってからもっと上のことをしますのにー!!白雪さんが羨ましいです!!大体お兄様はいつまでも私のことを子供扱いして・・・最近は少し妹扱いは減ってきましがた子供扱いはそのままです!この前だってキスしても少し反応はありましたが、あれがもし白雪さんだったのであればもっと動揺したはずです。
「・・・あー!!」
私は何故か紙にお兄様のいいところと悪いところを散々書いた。
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