第255話総明は虫が苦手
「そーくん、神社行こ?」
「い、いきなり・・・!?」
せっかくの休日なのになんでいきなり神社に行くなんて話になるんだ。いや、休日だから、かもしれないけど俺的には休日は基本的に家からでずにのんびりしだいんだ。ここは初音には申し訳ないけどはぐらかそう。
「ジンジャエールかー、美味しいよなー」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ごめんなさい、大人しく着いていくので許してください」
俺ははぐらかすことに失敗したどころが火傷を負わされ、大人しく初音についていくことにした。そして1時間ぐらい歩いてようやく神社風なところに着いた。
「うわあ・・・」
神社までの階段が長いな、しかも周りには緑色の葉っぱの木がある。
「これは絶対虫がいるな・・・」
「え?ここには虫なんていないよ?それとも心当たりでもあるの?」
「は、は?何言ってるんだ?明らかにここ虫いるだろ」
「・・・虫?ああ、そっちね」
虫にそっちもあっちもないと思うんだけど、あんまり詮索しないようにしよう。
「任せて!そーくんに集る虫は虫も女もまとめて駆除してあげるから!」
「あ、ありがとう・・・」
後者に関しては黙秘しよう。とにかく周りに虫がいないかだけ注意しないとな。虫だけは本当に苦手だ。この世から絶滅してくれと夏が来るたびに思っている。まあ今は夏と言うにはまだ早いけどそれでも絶滅してくれと思う。
「虫、虫・・・」
「そーくんが虫苦手なのは知ってるけどそんなに苦手なの?」
「ああ、本当に絶滅してくれと思っている」
「あはは、おもしろーい」
・・・何も面白くない、俺は真剣なんだ。
「逆に初音は虫とか苦手じゃないのか?」
一段一段と階段を登りながら聞く。
「うん、虫なんてただの虫だし」
つくづく男女の観点が逆な気がする。
「はあ、本当に────」
「あっ!」
初音が俺の前に包丁を振り下ろし、返す包丁でまたしても何かを切った。
「い、いきなり何をしてるんだ!?」
「そーくんの周りに二匹の蚊がいたから」
「なるほど・・・」
蚊なんて小さい生き物に対してよく包丁なんた当たるな・・・まあさすが初音だ、今は本当に頼もしい。
「全く、そーくんに触れようなんておこがましいにも程があるよね、おまけにそーくんが嫌がってるのにも関わらず無理やり触ろうとするなんて・・・しかも蚊ってことはそーくんの貴重な血液を吸おうとしてたってことでその吸おうとしてた血の量と価値を考えると今二匹を殺せて本当によかっ────」
初音がずっと蚊に対してぶつぶつ言っている間にとうとう神社の前に着いた。
「は、初音、着いたぞ」
「────え?あ、うん!」
「ちなみにここ何か特別な神社なのか?いきなり神社に行こうなんて」
「まあ、ちょっとね・・・縁結び神社なの」
「・・・え」
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