第241話体調不良
今日も初音は先に学校に登校していた。どんな理由があるのか早くも気になってきたけ、まあ気にしないようにする。
「それにしても・・・」
やけにしんどいな。もしかして昨日の湯冷めのせいで風邪ひいたのか?
「ごほっ、ごほっ」
あー、これは完全に風邪だな。まあでもちょっと風邪ひいたぐらいじゃ学校を休んだりできないこともないんだけど、一応行った方がいいかなと思う。出席日数とかあるし・・・
「お兄様、風邪ですか?」
「霧響、ああ、まあ、ちょっとだけ・・・」
「もう!だから昨日私の言った通りに傘を持って行っておけばこんなことにはならなかったんです!これからは私の言うことを全て聞くようにっ!」
「す、全てかはわからないけどまあ、極力そうする・・・」
「今日は学校に行かないで───」
俺は霧響に「行ってきます」と言って家から出て通学路を歩いた。
「・・・ごほっ」
しんどいな、普通に。霧響の提案通り学校を休んでもよかったんだけど、もし学校に行かなかったら初音がまた浮気とか疑ったりしそうだから────
「うっ・・・」
ふらついてしまった、もし隣に壁がなかったら倒れてたな。
「頭もクラクラしてきた・・・」
どうしよう、学校に行けてもこれは即保健室だ────
`バタン`
「えっ・・・」
倒れてるのか・・・?ただの風邪じゃないとか、怖いな。今までそんな大きい怪我とか病気とかにかかったことがないからよくわからないな。
「だ、大丈夫ですか!?」
「ん・・・」
誰だ、知ってる声だ。それもつい最近・・・俺が考えを巡らせているとその人は俺のおでこに手を当てた。
「すごい熱だ、ここからなら病院に行くより家に引き返したほうが早い」
その人は俺のことをなんとか立たせた。そして───
「支えるので歩けますか?」
「え、あ、はい・・・」
支えられてたらなんとか歩けるかもしれないけど、そもそもこの人は──あ!思い出した、昨日のあの帽子の人だ、でもなんでこんなところにいるんだ?昨日もなんか高校の校門にいたし・・・たまたまか?それとも俺の高校の人に友達がいるとかそんな感じの理由なのか・・・どれだけ考えてもわからないな。
「あの・・・昨日も会いましたよね」
「・・・はい」
「偶然ですか・・・?」
「・・・・・・」
その俺の質問に答えはなくそのまま俺の家に引き返して行った。そして俺は鍵を持っていたためオートロックを開けてエレベーターに乗り、なんとか家の前まで戻ってきた。
「ま、また、送ってくれて・・・ありがとう、ございます」
この前も雨の中コンビニまで送ってくれたり今も俺の家の前まで送ってくれたり、感謝をしてもしきれないな。
「いえ、別になんでもありません」
そして俺は家の鍵を開けてドアを開けた──瞬間に霧響が飛び出してきた。
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