第225初音の釘刺し

 そして朝のホームルームで先生がゴールデンウィークのことについて定番なことを話して、特に何事もなく一限目も終わった。そして俺は早速初音に唯一許された友達、月愛のところへ───


「・・・あれ?」


 月愛がいない。隣の席を見ると初音もいない。


「どうなってるんだ・・・」


 これは正真正銘ぼっちだろ・・・仮に俺がここで誰かと話したら浮気って言われるのか?いや、男なら大丈夫なのか・・・わからない、初音のことだから「性別なんて関係ないよ、生き物でしょ?」とか言いそうだからリスクある行いはやめて大人しく予習でもしておこう・・・


ー初音Partー


 私は一限目が終わった瞬間にそーくんが話すことを許して欲しいと乞いてきた女を教室から連れ出して屋上に連れてきた。


「話ってなんなのかしら」


「と!く!べ!つ!に!そーくんと話すことを許してあげるけど、間違ってもそーくんに恋愛感情とかを抱いたりしないでって言いに来たの」


「・・・最王子君と話すのになぜあなたの許可が必要なの?」


「それは、私とそーくんが恋人だから」


「恋人が恋人の人間関係を完全に管理できるなんて法律はないけれど?」


 なんなのこの女、いちいち癪にさわる感じ。


「法律じゃなくて、恋人間のルールだから」


「最王子君も承認してるの?恋人間というのであればお互いがそれを承認していないと恋人間じゃなくてあなたの押しつけになってしまうけど・・・」


「恋人間で押しつけなんて存在しないよ──って、そんな話しに来たんじゃなくてとにかく話すだけなら許可してあげるから間違ってもそーくんに恋愛感情なんて抱かないでね?」


「言われなくても今の所そんな予定はないから安心して」


「・・・・・・」


 今の所っていうところを追求しようと思ったけどこの女は受け流してきて話が長くなりそうだったから私は言うことだけ言うと屋上から階段を降りて教室に戻った。


ー月愛Partー


「・・・・・・」


 最王子くんも大変ね、あんな独占欲の強い女性に憑かれて。それも除霊なんてできなに人間、霊は喜んで祓うのに霊よりも畏怖すべき人間を祓うことは方が許さないなんて・・・無慈悲。


「言われなくたって、恋愛感情なんて」


 最王子君はただのクラスメイトでただの友達。それだけ。そこに恋愛感情なんていうのは白雪さんに言われるまでもなく湧いてこない。


「・・・今の所はだけれど」


「・・・・・・」


 私は白雪さんとは少し感覚を空けて教室に戻った。


「・・・・・・」


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