俺の転校先の学校の隣の席は完璧美少女元カノだったー嫉妬さえ失くしてくれたら完璧美少女なのに〜

第175話初音という人と電話

　なんか変な隠し味があったけどそんなの気にするまでもなく美味しいチャーハンを食べ終えた。今結愛は買い物に行っている。家の中から出るなと5、６回は言われた。全く・・・そんなに言われても留守番ぐらいはできる。

｀ブーブーブー｀

　ん？スマホからバイブ・・・電話か？試しにポケットからスマホを手に取ってみると着信画面に『初音』と表示されている。

「初音・・・？」

　誰だ？初音って、俺の知り合いなのか？一応確認のためにも電話に出よう。

「もしもし」

『あっ、そーくんそろそろ戻ってきてー朝ごはんできたよー』

　そーくん・・・？だいぶ親しい仲だったんだろうな。

「ちょっと誰かわからないけど今恋人の家にいるからまた今度でもいいか？」

　友達よりも恋人を優先する俺ってもしかしたらだいぶいいやつかもしれない。

『・・・え？恋人？』

「ああ、今ちょうど恋人の家に────」

『浮気？』

　は？何を言ってるんだ？この人は。

「浮気って、何を言ってるんだ、俺が付き合ってるのは一人だけだ」

『じゃあ恋人の家って何？』

「なんか話が噛み合ってない気がするな・・・だから俺の恋人は一人で俺は今その恋人の家にいるんだって」

　これまた面倒くさそうなやつと知り合いだな。俺はどんな人間だったんだ？

『・・・相手の名前は？』

「結愛」

　俺がそう言った瞬間に電話越しからでも伝わる冷気というか寒気を感じ取った。

『なんであいつと一緒にいるの？』

「なんでって、恋人だからに決まってるだろ？」

『・・・今弁解すれば半身だけで済むけど、弁解はある？』

「弁解？弁解も何も俺は──」

『そう、じゃあ今から私の記憶にしてあげるからそこで待っててね』

　そういうと、その初音という人は電話を切った。

「どうなってるんだ・・・」

　恋人と一緒にいたら悪いことでもあるのか？俺の通ってる高校が恋愛禁止とか？いや、そんな高校ないだろう。あったとしても俺がそんなガチガチのところに行くとは思えないし・・・

「本当に何がどうなってるんだ・・・」

ー初音Partー

「何がどうなってるの？」

　なんでそーくんがまたあんなやつと一緒に・・・しかもあんなに平然と浮気をするなんて、絶対に何かおかしい。そーくんの言葉の中に何かヒントは・・・あっ！

「誰かわからないけど・・・？」

　そういえばそーくんはそう言ってた。ちょっと誰かわからないけどって・・・誰かわからないって、私のこと？なんでわからな────

「記憶抹消剤！？」

　それなら十分にあり得る。私も目をつけていた薬をあの女が先にそーくんに使って記憶を消して私からそーくんを奪った・・・

「・・・・・・」

　私は包丁片手に家を飛びたし、昨日そーくんの下着につけておいた発信機の元に向かった。