第137話ヤンデレ度診断
俺がお風呂から上がると、初音は明らかにテンションが上がっていて、料理を作っていた。
「は、初音、どうしたんだ?」
さあ、これはどっちだ?初音のテンションが高い時っていうのは二種類がある。一つは単純に良いことがあってテンションが上がっていて、二つ目は嫌なことがあったけど無理にテンションを上げているっていう1番怖いやつ。俺が浮気疑惑をかけられた時なんかはそういうことがたまにあったりする。二つ目じゃないことを祈りたい・・・
「んー?別にー♪」
「そ、そうか?」
これはどうやら純粋にテンションが良いみたいだ・・・ありがたい。
「そんなことよりお風呂上がりのそーくんもかっこいいよ❤︎」
「や、やめてくれ・・・」
恥ずかしすぎるな・・・あっ、そういえばこの前SNSで気になるやつを見つけたんだった。俺はスマホを取りに自分の部屋まで戻った、が。
「あれ?」
スマホがない。初音に聞いてみるか。
「初音、俺のスマホどこにあるか知ってるか?」
「ああ、ごめん、ちょっと連絡先確認してたから私が持ってるー」
そういうと、初音はポケットから俺のスマホを取り出した。っていうか連絡先確認してたって、そんな軽くいうことじゃないと思うんだけど、俺的にはもう慣れっこだから特に気にしない。俺はスマホを手に取ると、ネットでこの前見ていて気になったやつを調べてみた。
「・・・これだ」
『ヤンデレ度診断』当てはまるものの数でその人のヤンデレ度がわかるっていうやつだ。早速初音に試してみよう。
「なあ、初音、ちょっといろいろ質問してもいいか?」
「良いけど、どんな?」
「ちょっとした診断だ」
「診断?良いよー」
と、初音はにっこりと笑った。女子はこういうのが好きらしいのでとりあえずここはOKだ。
「じゃあ、早速・・・独占欲は強いか?」
「うん」
「嫉妬深いか?」
「ううん、私心広いし」
嘘つけ!!初音で嫉妬深くなかったらもうこの世界は末期だ!
「被害妄想は激しいか?」
「んー、どうだろ・・・被害妄想かはわからないけどそーくんのことに関して嫌な考えが浮かんで不安になることはあるよ?」
「じゃあ、恋人・・・俺のことを全て知らないと気が済まないか?」
「うん、っていうかなんなら全てなんていう概念すらも超越した何かを知りたいとすら思ってるよ?」
「じゃあもし俺が浮気したら?」
「殺すよ?」
「・・・誰を?」
「その相手とそーくんと私を」
「・・・・・・」
全部当てはまってしまっている。全て当てはまった場合は完全にヤンデレらしい。そして、全て当てはまった場合はこの診断だけではヤンデレ度が測りきれない可能性があるので何か別の方法で測定することを勧める、か。
「で、どうだった?」
「あ、ああ・・・は、初音が俺のことを愛してくれてるって分かったよ・・・」
「そんなこと心配してたのー?そんなの診断するまでもなく愛しまくってるに決まってるじゃん♪」
「そ、そうだな・・・」
俺は心の中でため息を吐くとそっとスマホを閉じた。
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