第138話ゴールデンウィークの予定

「ねえ、そーくん?」


「ん?」


「ゴールデンウィークどうする?」


「ゴールデンウィーク・・・?」


 ああ、そういえばあと少しでゴールデンウィークになるな。まあ、俺からしたらゴールデンウィークなんてただただ学校を休める日ってだけでそのせっかくの日に外出なんて冗談じゃない。


「家でゆっくり──」


「・・・・・・」


「っていうのは冗談でどっか出かけたいなー」


「うん!そうだよね!私もそう思ってたんだー!」


 と、初音は途端に元気になった。危なかった、あと少しで初音の機嫌を損ねるところだった・・・


「へ、へえ、初音はどこに行きたいんだ?」


「んー、色々あるけどとにかくそーくんの実家かな?」


「俺の実家・・・?」


 別にお金持ちでもなんでもない、なんの変哲もない家に何かようでもあるのか?


「うんっ!そーくんの両親と一応家族の人にも挨拶しとかないと!」


「あ、挨拶!?」


「うん、もし最悪そーくんが浮気したとしてもご両親さんに挨拶しておけばそーくんもそうそう簡単に浮気なんてできないでしょ?まあ、そんなこと関係なく浮気したら殺すけど」


「・・・・・・」


 そういう魂胆か、だが残念だったな初音、いつもは俺がやられてるけど今回ばかりは俺の勝ちだ。なぜなら俺の両親はゴールデンウィークは基本的に出かけているからだ。だが、それを今ここで言うと、初音のことだ「ゴールデンウィークに入るまいに会いに行こ!」とか言いそうだな。それはそれで非常に困る。だから俺は──


「そ、そうだな、ゴールデンウィークは俺の実家に俺の両親に初音を紹介するとしよう」


「ほんと!?やったーーーー!!」


 と、初音はすごく喜んでいる。罪悪感があるけど俺の将来がこんな早い段階で決定づけされてしまうよりはマシだと考えたい・・・あっ、でも妹がいるかもしれないな。


「・・・・・・」


 まあ、それはなんとかなるか。とにかく優先順位は俺の両親と初音を合わせないことだ。


「今から楽しみだね、そーくん♪」


「そうだな・・・」


 俺はゴールデンウィークのことを考えながら眠りにつくことにした。


ー初音Partー


「やった♪」


 これでゴールデンウィークには私とそーくんは婚約できる!日本に男性は18歳以上じゃないと結婚できないなんていう法律がなかったら今すぐにでも結婚届を出したいところだけど、ないものねだりをしても仕方ない。それにしても、もう`あいつ`は手出ししてこないだろうなあ・・・♪


「作戦通り、だね♪」


 私は自分のノートに描いたゴールデンウィークまでに邪魔者を排除しよう作戦が成功したことを心の中で喜びながら笑っていた。


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