第129話結愛と初音の思考

「あの虫…!」




 なんなのあの虫、なんでせっかくそーちゃんと再開できたのにあんな虫に寄生されてるんだろ、本当に意味わかんない。最初はちょっと突けば終わるかなとか思ってたのに、あの虫相当寄生力が高い。




「そーちゃんもそーちゃんだけど…」




 あの虫に何を吹き込まれたのか知らないけど私のことを自主的に選ばないなんて…虫に寄生されたからそれがちょっとだけ移っちゃったのかな。だったら尚更早く助けてあげないとそーちゃんがもっとあの虫に侵食されていく…




「なんであんな虫まで種が人間なの!?」




 私は強く足踏みをしながら言った。でも本当になんであんな虫までが人間扱いされるんだろう。概念的な問題なのかな?でも概念的に人間でも人間として扱われてない人たちだっている。例えば死刑囚とか…でもそれだときっと犯罪を犯したかの差になってくるんだろうけどそれって誰が決めるんだろ。




「何が正しくて何が間違っているかなんて…」




 そんなのこの世界には決められる人なんていない。だからこそ私は私のやりたいようにやる。




「例え私が悪だったとしても…」




 なんてことを呟きながら私は学校を目指すことにした。あの虫のせいでもう遅刻なんてレベルじゃないレベルで遅刻してしまってるけどまあなんとかなるはず・・・




ー初音partー




 あんなやつなんかにこんなに時間を使っちゃうなんて本当に一生の不覚・・・でもこれであいつもしばらくは手出ししてこないだろうし、っていうかしばらくじゃなくてもう一生私のそーくんに手出ししないでほしいけどさすがにそんな感じでもなかったから本当に面倒くさい・・・




「ねえ、そーくん」




「な、なんだ・・・?走ってる、時に、話かけ、ないでくれ・・・」




 と、そーくんは疲れたみたいに言っている。そーくんの悪いところ・・・じゃないけどそーくんは体力が少ない。まあ、そのおかげで強硬手段に出た時に先手を打てたりもするんだけどたまにデートしてる時もすぐにばてたりするからそこだけはどうにかしてほしい。




「えーっとね?」




「ん?ああ・・・」




「・・・・・・」




 ここで私がそーくんに「あの女から何をされても私を選んで」って言うのは簡単だけどそーくんを信じるならその発言は裏切りと同じ・・・なら。




「何にもなーい♪」




「はあ!?走ってる時にそう言う冗談やめてくれー!!」




 と、私たちは投稿するに至った。ちなみに時刻は二時限目あたり・・・はあ、そーくんと廊下に立てるならいい思い出になるだろうけど多分廊下には立たせずにちょっと注意されて終わりだろうなあ・・・




「はあ・・・」




 こういう時に優等生設定が邪魔だと思う・・・

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