第58話初音の急激変化
学校に登校して初音と一緒に自分たちの教室に向かうと、すでに月愛が登校していて俺たちが登校しているのを見計らうとすぐにこっちに向かってきた。・・・流石は俺のこの学校初の友達だ、なんか感動する。
初音もなんか月愛にだけは甘い・・・っていうか俺が月愛のことを恋愛対象とは見ていないことに木地ているため初音の至近距離で、基本的には初音を優先すれば特に怒られることはない。
「あ、月愛、おはーーーー」
「そーくんっ♥」
いきなり初音がそう叫ぶと教室の中なのにお構いなしに俺の腕に抱き着いてきた。・・・やめてくれ!あんな変なことを言ったのにどうやら初音の人気は健在らしく、周りから殺気が刺さってくる。
「は、初音、きょ、教室でそういうのはーーーー」
「もうっ♥照れないでいいから♥」
そういうと、さらに力強く抱きしめてきた。・・・っていうか当たってる!胸が!
「ふふっ♥」
「・・・・・・」
こ、この顔は当ててきてるな・・・これは刺激が強すぎるので俺は抱きしめられている右腕の感覚をできるだけ感じないようにした。
「・・・あなたたち、何してるの?」
と、冷静に月愛が聞いてきた。そうだ!まだ月愛がいた!このなぜかおかしくなった初音を治してくれ!
「何って、愛し合ってるだけだけど?」
「愛し合ってる?一方的に愛を欲しているメスの求愛コードにしか見えないけれど?」
「・・・・・・」
おいいいい!!何をそんないきなり爆弾発言してくれてんの!?ま、まずいぞ・・・
「そーくん、一方的じゃないよね?愛し合ってるよね?」
初音の腕にいれる力がだんだん強まってくる。っていうか・・・
「は、初音、お、折れる、折れるってーーーー」
「愛し合ってるよね?そうだよね?そうに決まってるよね?」
「わ、わかった、あ、愛し合ってるから!早く力を抜いてくれ!」
俺がそう言うと、初音はのろけ顔で力を抜いていった。っていうか前から思ってたけどなんで初音はこんなに力が強いんだ?見たところ細身だし、腕もそんな太いわけじゃない。初音に聞いてみるか?
・・・いや、聞いたところで多分「愛の力♥」とかしか言わなそうで怖いから言及するのはやめておこう。
「ほら♪愛し合ってるでしょ?」
「それは昔の従属関係のーーーー」
「俺たち愛し合ってるから!」
周りの目がかなり痛いけど今月愛がとんでもない爆弾発言・・・いや、ブラックホール発言をしそうになっていたので無理やりにでもごり押すしかない!!
そしてそのタイミングでホームルームを知らせるチャイムが鳴った。毎度この学校のチャイムはタイミングが良くも悪くもの時になってくれるけど今回はタイミングが良いときだな。
そして俺たちが席に着くのとほぼ同時に七海先生が教室に入って来た。
「はーい、じゃあ、今日も張り切っていきましょー!」
の、先生の一言で今日も学校が始まった。
・・・のはいいんだけど俺はどうやら見逃しをしていたらしい。
「な、何だこれ…」
そう、初音が変なことを書いていたのは数だけじゃなくて、他の全教科のノート表紙に似たようなことを書いていた。
「お、おいおい、こんなのどうすれば・・・」
と、とりあえず忘れたことにしよう。高校は忘れ物をしたぐらいで成績は下がらない・・・っていうか放任主義だから忘れても知らないぞ見たいな空気だ。でも、どうしよう・・・
「初音、ノート忘れたからちょっと紙借りてもいいか?」
「うん!いいよ!でも、そっかあ、忘れちゃったんだあ」
そういうと、初音は俺の机に自分の机をくっつけてきた。
「まあ、いいや♪これで授業中も至近距離だしね♥」
「そ、そうだな・・・」
一瞬これを狙ったのかと思ったけどどうやら違ったらしい。本気で俺にあの変なことを書いたノートを使わせるつもりだったのか・・・むしろこれが狙いだったほうがよかったような気もする。
「あっ、消しゴム落ちちゃった、ちょっと取って♥」
「ああ」
そういうと、初音は自分の胸の谷間をチラッと見せた。
「お、おい、な、何してーーーー」
「ここに落ちちゃった♥」
「自分で取れ!」
俺がそう言うと、初音は悲しそうに自分の胸に手を入れた。・・・本当に何なんだ?からかい度合いが軽くいつもの倍はある。
「んっ・・・♥」
「・・・は?」
初音の艶っぽい声が聞こえたと思って初音の方を見てみると胸をまさぐっている。
「お、おいおい、な、何してるんだ!」
「何ってっ♥そーくんが自分で取れとか言うからっ♥」
「確かに言ったけど俺はそんな事をしろとは言ってない!」
ほ、本当にどうしたんだ・・・初音。
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