黒と白

4seasons

第1話

自分は夢を見ているようだ。先程から闇をのぼっている。

階段であることは間違いない。息を切らせて上っていく。


次第に足が泥濘みに浸かる。歩く度に泥濘みに足を取られ、足首まで泥濘みに浸かると怖さが

募ってくる。


一歩二歩と足取りが遅くなってきた。


先程から

闇の中といえど階段を上っていたのた。それが階段はどこにあるのかわからない。


かと言って慌てると階段の先から落ちてしまう。灯りは全くない。どんなに目擦っても明るさは帰ってこないのだ。


先程まで歩いていた階段、その床がなくなってチョコレートのように溶けてしまったみたいだ。床音が鳴っていた。が嘘のように静かだ。


どこからとなく鈴音が聞こえる。もう彼は立っていられなくて四つ這いになっていた。


前も後ろもまるで見えない。闇のでグラグラする足を維持できない。自分の身体がドンドン小さくなっているかのように感じる。


一歩二歩どころではない。横たわっているくらいだ。 自分の背より大きい。自分が小さくなったようだ。


√2


割り切れない。割り切れない。なんで√2を思いついたんだろう。


鈴音が大きくなっていく。手に何か当たった。

小さな光がある。当たった壁の中に当たった壁の中に小さな光が大きくなり全身を包む。



目を薄め目で開けた。眩しいからか景色は白く光ってる。


景色が光に慣れてくる。瞳にか。

けたゝましく鳴る目覚まし時計を掴み消した。横向きになり全身を伸ばし消した。


その際全身は綺麗だった。チョコレートなどついていない。枕元に置いてある本を見つけた。相対性理論の本だ。


読み続けた本だ。図書館に行き借りた本である。


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