第18話 久しぶり?の第3エリア
壁があった所から30分程走ったところでゴフテスと再戦するかどうかのウィンドウが目の前に表示された。
んん? あの廃村がまだ見えていないのに何故ここでこれが出るの? そう思って首を傾げる。
確か、ゴフテスのエリア前にあった廃村から壁まで4時間以上かかった記憶があるのだけど、何でこんな手前で再戦選択のウィンドウが出て来るのか。……もしかして、エリアの順番的に逆走だったからあれだけ時間が掛かったという可能性もある?
まあ、再戦する気は無いのだけど、もしかして再戦して勝った方が早く着いたりするのだろうか。向こう側のBOSSエリアの入口ってあの廃村の入り口だったはずだから、もしかして勝てれば1時間くらい移動時間短縮出来たりする? 負けたらここまでの移動時間が無駄になるからリスクが高い気はするけれど。
ううーん。いや再戦は無しにしよう。
あの時よりも大分強くなってはいる。ただ、あれは特殊行動をキャンセル出来た上に、毒の状態異常があったからこそ勝てたのだよね。現状、毒の状態異常に出来るアイテムは無いし、微毒や微麻痺であの咆哮がキャンセル出来るとは思えない。一撃死は無いとは思うけど、ジリ貧になりそうな気配がする。まあ、戦うならセントリウスに戻る時かな。負けてもリスポーンポイントに戻るだけだし、時間の短縮になるはず。
そういう訳でウィンドウに表示されている選択肢はNOを押した。
再戦ウィンドウが出た辺りから2時間程走ったところであの廃村に着いた。【走法】を取得したのもあるのだろうけど、あの時に比べたら移動速度が倍くらいになっているようだ。まあ、AGIがほぼ倍になっているから当然と言えば当然か。
ログアウトは…時間的にまだ2時間くらいは余裕があるかなぁ。だったらもう一個向こうの廃墟でログアウトした方が効率は良いかも。少なくともあの森で採取をするならあっちの方が近いし。
という事でさらに移動。でも、走るだけだと時間を無駄にしている気がするので【短剣術】の熟練度をついでに上げようと思う。走りながら宵闇の短剣を振る感じになると思うから上がるかどうかわからないけど、【短剣術】の熟練度が99%だから後1%上がれば2次スキルになるはず。だから上がると嬉しいのだけど。
走りながら宵闇の短剣を振る。なるべく熟練度が上がるように、走りながら戦っているというイメージを持って振るう。あ、そう言えば【毒魔術】の熟練度も上がっていないし、エンチャント:ポイズンを使いながらでも出来る…かも?
さっそくエンチャント:ポイズンを発動…させて、…ん、うん? 結構難しいな。いつもならあっさり発動するのだけど、もしかして走っているから?
…そう言えば、いつも戦っている時でも魔術系のスキルを使う時は一旦足を止めたり、減速したりしていたような。無意識だったけど勝手にやり易いように動いていたという事なのだろうか。
でも難しいという事はそれだけ熟練度が上がりやすいはずだから、このまま続けよう。
森の手前の廃墟に着いてログアウトしてから、お昼ご飯を食べてから少ししてまたログイン。
走りながらスキルを使った結果は、廃墟に着く直前に【短剣術】の熟練度が100%になって、【毒魔術】の方は熟練度が少しだけど上がった感じ。
それと、ログアウトする時間の関係で詳しくは確認していないのだけど、【短剣術】の熟練度が100%になったのと同時に称号を獲得した。
【剣の心得(短剣)】
剣を最低限扱えることを証明する称号(タイトル) 武器の扱いは一時的な努力だけでは上手くなることはない。この称号(タイトル)を得るまでの努力を忘れることなく、精進し邁進し続けることを願っている。
獲得方法:【短剣術】または【長剣術】の熟練度を100%にする。
効果:剣カテゴリの武器による与ダメージを10%増加させる。また、短剣カテゴリの武器をペナルティ無く扱うことが出来る。
お昼ご飯を食べた後に軽く調べたところ、この称号(タイトル)が存在する理由はおそらく【短剣術】と【長剣術】は派生スキルが多いから、といった意見が多かった。
基本的に1次スキルは派生先の2次スキルにしてしまうと無くなってしまう。そうなった場合、純粋強化先である【上級短剣術】や【上級長剣術】以外は1次スキルの恩恵を受けられないので、それを避けるための称号だろうとの事。
まあ、確かにそうかもしれない。ただ、私は考察をしたい訳ではないので、そう言った称号もあるのだなという事で、派生先の2次スキルの確認をする。
派生先として選択できるのは【上級短剣術】【双剣術】【細剣術】【手斧術】【ナイフ術】の5つ。
元々取得しようと思っていたのは【細剣術】なのだけど、何で【手斧術】? 【短剣術】からの派生としてはおかしい気がするのだけど、手斧だからサイズ的にはおかしくないという判断?
【ナイフ術】は【短剣術】から分離して特化する感じかな。もしかしたら暗殺系のスキルに派生していく可能性もあるけれど、現状取得するつもりはないので放置。
【双剣術】はあまり好きではないので取得は無い。あ、でも、もしかして【血魔法】で剣2本出せる? ならあり……いや、無理かな。絶対に戦っている最中に使ったら頭がこんがらがって制御失う気がする。ブラッドウェポンって完全マニュアル操作だから、制御を失う事は使っている人工血液のロストと同義なのだ。その可能性がある以上、戦闘中に使うのはリスクが高い。
【上級短剣術】もありと言えばありなのだけど、スキルの説明を見る限り【短剣術】と同じように可もなく不可もなくといったスキルだからなぁ。特定の武器種に特化しない分、他のスキルに比べて火力があまり増えないみたいだから、あまり魅力が無い。
一応派生させなかったスキルの後から取得できるのだけど、派生させて取得した場合に比べて必要SKPの量が倍になるらしい。派生させる場合に必要なSKPは5だから、別に取得する場合は10必要になるという事。
SKP10だと別に取得したスキルの熟練度を100%にすればプラスマイナス0にはなるけど、私の場合は最初に取得した段階で必要SKPが10以上だったスキルを複数持っている以上、無駄にSKPを消費するのは避けたい。と言うか、この前派生させた【MP自動回復量増加(小)】の必要SKPが25だったから、沢山SKPが残っているようで実際はそうでもないのが現状だ。
やっぱり派生させるのは【細剣術】か。【上級短剣術】についてはスキル効果が【細剣術】と重複するから、追加で取得すれば多少火力が上がるだろうけど見送る。むしろ1次スキルの【長剣術】を取得した方が良い気がする。単純に短剣よりも攻撃力が上だし、ブラッドウェポンで使える武器の種類が増えるから。
まあ、今取得したところで使わないし、【細剣術】の熟練度を優先的に上げる予定だから【長剣術】の取得も見送る。ただ、【上級短剣術】とは違って取得優先度は高めだから、その内取得はする可能性は高いかな。
そう言うことでSKPを5消費して【短剣術】を【細剣術】に派生させた。
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