第6話 3通目【質問事項と回答】

 あなたは、赤のLLBeenの鞄を背負っておられませんか?

 エスカレータの私立学校。

 その方は、1人でいる事が多くないですか?十数センチの厚さの本を読んでいて、

その本はジョン・グリッシャムの依頼人ではないでしょうか?



 お二人は、電車を乗り換えられますか?

その乗り換えた電車は、本数が少なく、

たまに、一両電車である事がありますか?


質問は以上です。

もし、上記の質問が【はい】であった場合、未来を覗いてみたいと思いましたら、下記を読んで見て下さい。未来を見る見ないはあなたの判断ですのであしからず。


――――――――――――――――――――

 検定前の課外授業が終わり、駅に向かう。

駅のホームはすでに星をはっきり確認出来るほどに夜を迎え出していた。

 円を描く様に南東から西のホームへ一両電車は向かってきた。プシューっと言うドアの開く音と共に、車両の中央に立つ男の子がドアをそわそわ確認する姿が目に入る。

 彼は誰か好きな子でもいるのだろうか?

そんな好奇心とともに、意識は彼に向かっていた。車両のガラスに反射する車内。

チラチラ電車の入口に視線を向けていた彼の目は、不思議と私に止まっていた。

 彼は私を直視し、私は、反射して映る彼をガラス越しに覗く。(嘘?私?えっ?)

 心拍数は、どんどん上がる。

ドキドキしながら、一両の電車は乗り換えのホームについてしまった。

 それから、昨日の出来事が思い違いではないのか?電車が来るたびに、彼を探すようになってしまっていた。

 電車を乗り換え、座席に乗る。キョロキョロしていた彼は、多くの友達とともに同じ車両のすぐ近くで立っていた。

 彼は、同じ方向なんだ。。。

毎日毎日、同じ事を繰り返しているうちに、気が付いたら彼が私の中を覆い尽くす。

 あの制服は、、。あの制服で、電車の先は、、中学生、、。

いつの間にか、私は年下の男の子に恋をしていた。たった2区間。言葉を交わす事も、視線を合わせる事もない。

――――――――――――――――――――



あなたが恋する彼女とあなたをうっとり見続けてしまいました。私が先ほどお話ししたのは、あなたが恋をする彼女の未来。あなたがこの後起こす行動で未来は変わってきます。

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