第2話私はバラの花が好き

もうすぐ梅雨を知らせる時。草花が露に濡れる気がする。私はそう思う。


6月になるとバラが見頃を迎える。私はこの植物園で働くのが好きだ。主な仕事はレジ打ちと花の寄せと植え替えそれから種や苗の受注それから植物の水撒きだ。

「いらっしゃいませ。」

私は短期大学を出てからこの植物園で働き半年となった。仕事にもだいぶ慣れて上司からも褒められた頃、私はいつものように花に水を撒いていた。


ザァー。

「美味しい栄養いっぱい吸うんだよ。」

私が水を撒いているとどこからか声がした。


「バラの花はお好き?」



「えっ?誰の声?」

周りを見回しても誰もいないのに何で?私がそう不思議がっていると手のひらに一枚の花びらが落ちてきた。

「これはバラの花?やだなぁ、鉢植えから散ったのね。」

私は気にも求めていなかったが、風が吹いたその時、辺りが一面変わった。


そこには見たこともない風景が広がっていた。


「ここはどこ?」

ここが植物園ではないということに気がつくのに時間がかかった。



近くに綺麗なお屋敷と庭が見える。私はそこまで歩くことにした。

「もしかしてあそこの家に聞けば何かわかるかもしれないわ。」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る