第6話 三雨、いや.....................

「思話の雨は、誰と話す?」

「僕が、決めてもいいか?」

「いいよ!」

「どうせ、考えていることは、一緒でしょ」

二人らしい答えが返ってきた

「僕は、三雨と話したい」

「「は⁉」」

「若葉じゃないの⁉」

「なんでなのよ⁉」

予想どうりの反応だった

「お願いだから、人の話は、最後まで聞いてくれ」

「三雨いや若葉といったほうがいいのかな、どっちにしろ僕は、君と話をしたい」

彼は、困惑した顔で

「何を言っているんだい、月夜。俺は、三雨。この雨の間の管理人だ」

四つ葉のクローバーのやつを見せながら、僕は言った

「じゃあ、僕たちの情報をどこで手に入れた?なぜ、若葉のことを知っていた?なぜ、これを君が持っていたんだ?」

「呼ぶ人のことを知っておくのは、大切なことでしょう?四つ葉のクローバーは、僕が持っていたからですよ」

三雨が持っているわけがない。だってこれは、

「これは、僕たちがまだ仲の良かったとき、若葉が生きていたときに四人で作ったものだ。だから、三雨が持っているわけがないんだ」

三雨は、微笑んで仮面をとって

「相変わらず、よく考えて観察をしているね、月夜」

そう言った

「本当に若葉なの⁉」

露葉が、若葉に質問をし、紅葉は、また泣いていた

「黙っててごめんね」

若葉は、僕たちに謝ってから、言いにくそうに

「俺もまだ、3人と話していたいんだけど..............そろそろ3人は、起きなきゃいけない時間なんだ」

僕は、笑った、3年ぶりに笑った

起きるって、ここ別の世界なんだから時間とか止めてるんじゃないのかよ

3人が、僕のことをなんで笑ってんの?という目で見てくる

「やばい!本当に起きる時間になっちゃう」

「紅葉、試験頑張れよ」

若葉が声をかけると

「やだーーーー、思い出したくもない!現実つらっ」

とうずくまって頭を抱えた

「まぁまぁ、てかこれを機に女装辞めたら?隣で歩く私が恥ずかしいんだけど」

「2人は、同じ大学に行ったの?」

「それもそうだけど、一応、紅葉達、カップルなんだよね」

そうだったのか.............................でも、全然カップルに見えない

高校生の時と何が変わったのだろう

「お願い、嬉しかったよ。ありがとう」

露葉は、無邪気に笑って

「私は、自分の望みを叶えてもらっただけだから」

といった

「月夜は、今は楽しいか?」

若葉は、全部知っていたのか

「あぁ、おかげさまで楽しいよ」

若葉は、たった一夜で、冬を終わらせて春を呼び、氷をとかした

この3年間、誰一人としてできなかったことを、若葉は、たった一夜で成し遂げた

やっぱ、すごいなぁ若葉は


視界が霞んできた

もう起きなくては、いけないのか

「またね、3人とも!」

「今度は、現実世界で会おうね~」

「今度こそは、勝手に紅葉達の前から勝手に消えないでよね」

「ありがとう、若葉」

その言葉だけを口にし、僕は、眠りから目が覚めていった

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