雨のち再会

樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須

雨のち再会

あーあ、なんで仕事上がるタイミングで、あの上司は話しかけてくるんや。話しが長すぎるんよな。ったく今日は早う帰るつもりやったのに。

ってあれ?雨降ってきてるやんかー。傘持って来てへんし…まっ、しゃーないなー走って帰るかー


(家の前で元カノを見つける)あれ?なんでお前がうちの前で突っ立ってるん?もう、こないに濡れて風邪引くで?ほらっ、ボーッとせんと中入りぃ。


あーごめんな、散らかってて。すぐタオル持ってくるから、ちょっと待っててや。


はい!あーそれな。お前のタオルと着替えやろ?

…そりゃあお前のやもん捨てられへんて。


お前がここ出てって、もう…二年もたつんやな。

そいで今日は急にどうしたん?…なんもしゃべらんかったら分からんやろ?

…あれっ?もしかしてお前泣いてるんか?ちょ、ちょっと待っときや。


はい、ココア。お前、ココア好きやったやろ?これでも飲んで落ち着きぃ。


どうや?少しは落ち着いたか?…そかそか。で、今日はなんでうちに来たんや?

(話を聞いてる感じで)…うんうん、そっか。…それは…ツラかったな。


俺な、お前が出てってからしばらく抜け殻みたいになってたんやで。

お前がおらんくなって初めて、お前がどれだけ俺ん中で大事で特別な存在か思い知ったんや。

(静かに強めに)もうお前を失いたくないんや!


…せやから…また俺と一緒に住まへんか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

雨のち再会 樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須 @ituki505

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ