俺の人生は異世界でも障害だらけ~なので障害を全部ぶっ壊す
シャケ缶
プロローグ
始まり、そして絶望は唐突に
『願え 自分の欲しい権能を 願うだけでいい』
ふと、頭の中に声が聞こえ意識が戻る。暗闇のなか考え思考を巡らせ。自分はさっきまで何をしていたか思いだす――――――――――
※
――俺(朽名 療)は二人で交差点を渡っていた。否、一人と一台と言うべきだだろうか、そう俺は中学の頃、軽トラックに跳ねられられてしまい、高校三年にいたる今でも下半身が動かなく、ずっと車椅子にのっている。
そして、その車椅子を押してくれているもう一人の顔立ちのいい同級生が〔蛭沼 陽太〕だ、彼は中学の頃からずっと一緒にいてくれている友達だ。
彼こそが唯一無二の親友だと思っている。
「······一方的にだが·······」
ここで親友と言いきれない自分はなんて小心者何だろうと思ってしまう。彼にはずっと迷惑をかけっぱなしだ、そんなにも関わらず、彼にはずっと支えてもらっている。
あぁ、ほんとに――
「陽太」
「ん?」
「ほんとありがとうな、いつもいつも」
「あぁ?なんだよ急に礼を言うような仲じゃないだろ」
「いや、ふと思ってさ」
「あぁ!親しき仲にも礼儀ありってやつか」
「そうそう」
いつか、この恩は必ず返しをしたいと、そんなことを思いながら背中を押してくれる親友の方を振り返ろうと首をひねった瞬間――
「うっ?」
突然身体が振られる、違う身体だけじゃない車椅子ごとだ、車椅子ごと振られ急に止まる、何事かと顔をあげる。
視界に入ってきたのは正面赤信号と見える道路からトラックがきて―――――
「ーッツ!」
瞬間強い衝撃に呑まれる、身体が石ころのように飛ばされ意識が飛び、頭が真っ白になる。
そして地面に当たる衝撃で意識が覚醒する。
転がる、転がる、転がる、転がり、衝撃が走り止まった、何かにぶつかり転がっていたエネルギーが消滅する。
意識はある視界もある、だが痛みはない、痛まない、痛くない、なのに目の端に大量の赤い液体が見える。
焦り、焦る、焦る、焦るが何も動かない自分の身体がどこにあるかすらわからない、けど身体が震える振動が視界に小刻みに震えている、身体が手が足が筋肉が痙攣している。
「······ごふっ」
血液が身体から流れ続ける、流れてはいけない血液の量だと言うことが素人目からでもわかる。
視界が色褪せていく、その色褪せた世界で血まみれの男性、親友が見えた、視界が暗くなり無くなるそんな中で考える。
まさか親友は自分を盾にしたのではないか
あぁ、今度こそ死んでしまうのだろうか。
とことんトラックに縁のある人生だった。
まぁでもしょうがない悔いはない、我が人生一変の悔いなし――。
··············嘘だ悔いしか後悔しかない。
まだ、死にたくない 死にたくない 死にたくない 死にたくない。
死んだあとはどこにいくのだろうか、この意識はどこにいくのだろう、この魂はどこへ――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――――
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