第24話 武器を買おう

 今日は栞さんがお仕事なのでパーティーを休みにした。みんな必要な物を買い出しに行くそうだ。

 ギルドハウスの留守番はニャンタが居れば大丈夫らしい。

 僕はミンフィーと装備探しだ。ミンフィーは色違いのチャイナドレス2着とバトルシューズを買った。

 問題はグローブだね。金具が付いてて攻撃力を上げれるグローブか普通のバトルグローブを買って、モンク用の武器も買うかだね。

 いろいろ見て回ったけどモンク用の装備は少ない。ほとんど需要無いから置いている店自体が少ない。とてもシンプルなメリケンサック2個とバトルグローブを買った。


 メリケンサック 攻撃力 +3


 次は僕の武器だ。


「豪快にぶっ叩ける感じのがいいな」


「剣でなくて?」


「とても棍棒が気に入っているんだけど、さすがに攻撃力が足りないから上位版みたいのが欲しいな」


 武器屋さんには剣ほどじゃないけど多少は片手棍と両手棍が置いてある。大きく分けて攻撃用と魔法用があった。

 当然、僕が欲しいのは攻撃用だね。


「片手で持てるメイスか両手持ちのウォーハンマーかな」


「威力は断然、両手持ちの方が高いわね」


 盾は持てなくなるけど、ちょっと攻撃中心にやってみたいのでウォーハンマーにした。木の柄の先端にズッシリと重い鉄が付いている。


 ウォーハンマー 攻撃力 +7 (両手持ち)


 武器を買ったのですぐに試したいけど、今日は『運』が上がる装備を完成させる予定だから我慢だね。塗料の材料とイヤリングの金具部分を市場で買ってギルドハウスに戻った。



 〜 ギルドハウス モッシュの部屋 〜


 まずは僕が『ガチャ運』アップの飲み物を出す。それをミンフィーが「蒸留水」を作る要領で蒸留する。するとフラスコに不純物が残る。その残った不純物を塗料に混ぜれば完成だ。


「本当は綺麗な色を塗りたいけど……」


 出来たのは透明の液体だ。それに指輪とイヤリングの飾り部分を漬け込んでコーティングする。そして、乾燥させれば完成だ。せっかくなので塗料分だけ指輪とイヤリングを作っておいた。ミンフィーと一緒に栞さんのいる教会に行ってちょっと鑑定してもらう。


 不思議な指輪    効果 ???


 不思議なイヤリング 効果 ???


「効果までは分かりませんね……」


「?って事は何かしら効果があるって事よ」


「じゃあ運が上がっている可能性が高いね」


「成功しているみたいだわ」


 明日、ダンジョンに行って効果を試す事にした。実際に「ガチャ」を引いてみればいいんだ。


 未攻略の初心者向けダンジョンを全てクリアする。残りはヒツジ、ウサギ、ミミズ、ゾンビダンジョンの4ヶ所だ。


 ギルドハウスに戻るとお客さんがロビーで待っていた。


「ニャー」


 ニャンタが出迎えてくれた。持っていたのは冒険者ギルド協会のミシェルさんと知らないダークエルフの男性だった。


「すみません、ニャンタが待っているようにと言うので待たせてもらいました」


「ええ!? ミシェルさんはニャンタと話せるんですか?」


「ワレハハナセルゾ」


 ニャンタが喋った!!


 話をしたいけどスタスタ歩いて2階へ行ってしまった。


「今日はお願いがあって直接お伺いしました」


 席に座って話を聞く事にした。ミンフィーも一緒だ。


「私の親友をこちらのギルドに加入させて頂きたいのです」


 ミシェルさんは普通のエルフだけど、隣りにいるのはダークエルフの男性だ。普通のエルフとダークエルフは仲が悪いんじゃなかったっけ? 超美形だけどダークエルフはクールな感じがするね。


「この前は先にパーティーが決まってしまっていて間に合いませんでしたが、素晴らしい才能を持った黒魔術師です」


「ザリウスと申します。いつも私と同じくパーティーに入れなかったフェンとアイリスが絶対にここへ入った方がいいと勧めてくれたので決断しました」


 黒魔術師はティアナ、ニャンタコンビと役割がダブる。いいのかな……


「ワレハカマワヌ」


 ニャンタがいつの間にかミンフィーの膝の上で丸まっている。


「魔剣士がいるので被ってやりにくいかなと思ったけど、この魔猫ニャンタがいいと言っているので問題無いですね」


「ミシェル、全て整ったので募集は今日で中止するわ」


「さすがミンフィーさんですね……私も冒険者としてご一緒したいくらいです」


「これからもあなたの力が必要よ」


「必ず期待に応えてみせます!」


 ザリウス 黒魔術師 レベル 3 がギルドに加入した!



 〜 ギルドハウス ロビー 〜


「今日は未クリアのダンジョン4ヶ所を制覇します」


 ミンフィーが今日の予定を説明して、僕の飲み物についても話した。当然、秘密厳守だよ。


「飲み物か……確かに曖昧だな」


 ザリウスが言う通りだ。どんな飲み物か決まっていないから何でも出せるんだよね。


「あの……今、ミンフィーさんが話してくれた『出会える』飲み物を頂けませんか?」


 フェンは自分に合ったモンスターが見つからないらしい。


「何度テイムしても何かしっくりこないんです」


「今日はもうスキルを使っちゃったから明日渡すね」


 いつも出発する前に水筒へ飲み物を入れるのでもうスキルを使用してしまっていた。


 みんなに2個ずつ水筒を配った。1本は茶色の水筒で「経験値アップ」の麦茶、あと1本はそれぞれに合いそうな飲み物にした。

 僕は「攻撃力アップ」のアイスティーで、ミンフィーは「ドロップ率アップ」の紅茶だ。


「今日は麦茶にしたけど希望の味があったら教えてね」


 「ガチャ運アップ」の紅茶、「体力回復」の緑茶、「魔力回復」の水、「移動速度アップ」のチャイが入った水筒をリュックサックに入れてある。


 まずヒツジダンジョンを攻略する。羊皮がドロップする為、人気のダンジョンなので他のパーティーが多い。

 クリア目的なので他のパーティーの邪魔にならないように敵を倒しながら最下層を目指す。


「ウリャーーー!!」


 新しく購入したウォーハンマーでヒツジをぶっ叩く!


 超〜気持ちイイ!! 鈍器最高!!


 ボスもすぐ倒してガチャを引く。


 全員に指輪とイヤリングを装備してもらう。不思議な指輪2個と不思議なイヤリング2個だね。


「最高に欲しいスキルをイメージしてボタンを押すのよ」


 ミンフィーが飲み物を配りながらみんなにアドバイスをしている。


 よし! イメージ出来た!


 ポチ!


 スキル 鈍器 +3


 両手棍じゃなくて鈍器!? これなら片手棍に戻しても効果がある! 最高だ!


 ミンフィーは状態異常耐性 +3 をゲットした


 みんなイメージ通りのスキルをゲット出来たみたいだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る