第11話 アメとムチ
〜スケルトンダンジョン〜
夕方まで訓練は続いてた。そして……
「じゃあ、今から本番ね! ここをクリアします」
一応、マップは頭に入っているよ。サポーターの基本だからね。ちゃんと下調べしてあるんだよ。
でも、今からか……回復するから疲れていないはず……
でも気が進まないのはなぜだろう?
ミンフィーはズンズン進んでいく!
戦わないけどね……
さすがに栞さんは一緒に戦ってくれる。これだけで楽勝。
レベルはもう6になっている。
あっという間に最下層、4層まで来てしまった。
ボスは大きなスケルトン1体と普通のスケルトン2体だ。
「栞さん、右側のスケルトンをお願いします。僕は左側を倒してからボスへ移ります」
「はい! 分かりました。ミンフィーさんは?」
「私は助言役なので見学ね。倒すのはあなた達よ。私が戦ったら瞬殺してしまうわ」
そうだよね。全く訓練にならないからミンフィーは戦わない方がいいと思う。
とは言っても……
正直、相手にならなかった。ちょっと訓練し過ぎたみたいで全然弱かった。すぐに倒しちゃったよ!
洞窟の奥に扉が出来た!
当然、ここでも『ガチャ』が引ける。
みんな『運アップ』の麦茶を飲んで
僕は冒険者カードを『ガチャ』マシンに差し込んで赤いボタンを押した!
ポチ!
四角の透明な箱の中に色とりどりのカプセルが入っていてボタンを押すと、ガチャガチャ音を立てて掻き回されている。
ポトン……
その中からカプセルが排出された。
緑色のカプセルだった。
スキル 受け流し +3
「ええ? また受け流しだ……」
「な、何ですって!!」
さすがのミンフィーも驚いている。
こんな事もあるのかな。山の様にゴミスキルが入っているはずなのにまた受け流し?
次は栞さんの番。
ポン! ガチャガチャ…… ポトン……
黄色のカプセルだった。
詠唱速度 +3
「わーー! いいの出ました!!」
「「 おめでとう!! 」」
カウンターヒールに最適だね!
次はミンフィーの番。
ドン! ガチャガチャ…… ポトン……
裁縫 +3
「やったわ!!」
「え? また生産職のスキルだね。嬉しいの?」
「当然よ! 女の子はみんな欲しいスキルよね?」
「え、ええ。まぁそうですね。おめでとうございます」
「んふふ。さぁ戻りましょう!」
ミンフィーがとてもご機嫌だから良かった。ギルド協会に行って報酬を3等分して栞さんに渡した。
「あ! でも……私、飲み物を飲ませて貰ってますし、これでは多いと思います」
「いいのよ。受け取って。でもお願いだから飲み物の事は内緒ね。モッシュが困るといけないから」
「はい! 分かりました。今日はお疲れ様でした」
「「お疲れ様でした」」
今日は市場で牛のステーキを買って帰った。やっぱりスケルトンクラスになると得られる魔石もドロップアイテムも高く買って貰えるから、高い食材を購入する事が出来た。
「栞さんも誘えば良かったかな?」
「みんなそれぞれの暮らしあるし、無理を言ったら駄目よ」
「そうだね。いい人だったね。ああいう人がギルドに来てくれればいいね」
ギルドハウスに戻ってお風呂に入る。
ふぅ……
体力、魔力を回復しても精神的には疲労するんだね
「ねぇ、モッシュ」
「ええ!? ミンフィーどうしたんだい?」
お風呂にミンフィーが来たみたい!
「服を縫ってあげるから持っていくわね」
「う、うん……ありがとね。ミンフィー」
「どうしたの? 背中でも流してあげようか?」
「はは。もう体は洗ったよ。そんなに疲れてないし、どこも痛くないから大丈夫だよ」
「そうなんだ……じゃあ行くね?」
「うん。ありがとね」
心配して来てくれたんだ。スケルトンにやられた所が破れているから直してくれるみたい。
お風呂から出たら、もう食事の準備してあった。
今日は牛のステーキとコンソメスープとサラダ。
「ステーキなんて久しぶりだね」
「美味しい?」
「とても美味しいよ。どんどん料理の腕が上がっているね」
「ふふふ。そうでしょ。裁縫も頑張るね」
どうしても服やズボンは傷むから裁縫をやって貰えると修理代が助かるね。
「ねぇ、今日はお風呂から出たら部屋に行くわね?」
「え?」
「ちゃんとマッサージをしないと明日大変よ? 筋肉が痛くて動けなくなっちゃうわ」
「そうなの? まだどこも痛くないけど……」
「多分、明日には痛くなるわ。あれだけ激しい訓練をしたんですもの」
「そうか〜 じゃあお願いするよ」
「うん。少しでも和らげた方がいいわ」
ミンフィーがお風呂から出たら櫛を持って僕の部屋に来てくれた。先にミンフィーの髪をといてあげる。
「じゃあ、ベットにうつ伏せに寝てね」
ミンフィーが優しく筋肉を揉みほぐしてくれる。
ああ……凄く気持ちいいなぁ……………
肩、足、腰、背中……
んん……zzz zzz
知らないうちに寝ちゃったみたい
なんか隣りからいい匂いがするし……
あ、あれ? 僕の隣りに……
ピンク色の髪が……
僕の横でミンフィーが子猫みたいに丸まって寝てる
小さな寝息を立てて 僕の胸にくっついている
ミンフィーまで寝ちゃったみたい
お姫様抱っこして部屋まで運んでいく
「ありがとね、ミンフィー。おやすみ」
布団かけてあげて部屋を出て行く。
…………
「モッシュのバカ……」
何か聞こえた気がするけど気のせいだよね。
うん。きっと気のせいだ。
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