第19話 ウハウハ生活よね!

 工房の鍛治施設でガンガンと銅鉱石を加工している。


 鉱石掘りとは違う楽しさがこの作業にはある! すっかり鍛治作業にハマってしまった。


 インゴットまで加工する事で行商人への売り渡し価格が格段に跳ね上がる。ちなみに品質は……


 銅のインゴット   品質   極上


 って感じです! 


 鍛治師にレベルを移してから作業するからね。いきなり、ベテラン職人レベルですから!


 今日、掘った鉱石をインゴットに加工し終わったら、木材の加工に挑戦。


 杉の原木調達クエストを木こりのドワーフさんが受けてくれたの。


 大工さんの格好に着替えてっと……


 ノコギリで原木を短く切った。


 木工師のジョブ、ゲットです!


 切り出した木材を加工しやすい大きさにナタとカンナを使って製材した。これを武器の柄等に加工するよ。

 ここからは大事だから明日にする。レベルを木工師に移してから仕上げをやれば品質が良くなるからね!


 とりあえず銅の剣、片手斧、両手斧、それと銅の盾を作るつもり。ドワーフさん達のメイン武器は斧だから斧は作っておかないと。


 『フォックステイル』は賑やかになって来た。


 採掘帰りのドワーフさん達以外にも買い物に来てくれる人が増えてきたみたい。


 私は工房に引き篭もり中! 店は弟くんにお任せ!


 足りなくなった商品はまとめて作る。1日1回しかレベルを移せないから、商品を作る生産ジョブは1ジョブ限定にしているの。そうすれば常に極上品質!

 でも、レベル1で出来る作業は全ジョブ分やる。


 もうレベルが上がって上がって! 


 とにかくウハウハ!


 店頭に銅の武器、防具が並べられた。当然、全て極上品質の物だけど値段は安いんだって。


 インゴットの収入だけで十分に生活出来るし、レベル上げと趣味みたいな感じ作っているから儲ける必要もないしね。


 ドワーフさん達が普段使っている鉄製の装備は他国から買った物だ。普通品質の鉄製品なら私の極上銅製品の方が性能はちょっと上。


 違いの分かるドワーフさんがたまに買ってくれるよ。


 モッチさんが工房の様子を見に来てくれた。


「どうかな? 工房の使い心地は?」


「最高です! とても作業が捗ります」


「この『フォックステイル』をモデルにして洞窟内に巨大入浴施設と鍛治場を作る予定なんだけど、また狐火を出して欲しいの」


「構いませんよ」


「炎はもっと大きくなるのよね?」


「そうですね……試してませんが馬鹿デカイのも出せそうな気がします」


「そ、そんなに大きくなくていいのよ。小さな炎を多く出してもらうと消えた時に大変だから、大きめのを1個だけ出して貰えればいいわ」


 炉の中に細い管が狐火を囲む様に通っているんだって。そこに水を通せばお湯が出るって仕組み。


「洞窟は結構、水が出るからお湯はずっと出したままになりそうよ」


「へぇ〜〜 それならいつでもお風呂に入れますね」


「私、他のドワーフより背が高いでしょ?」


「そういえばそうですね。ちょっと人族っぽい様な」


「ハーフなのよ。だからドワーフ族と違う考えをする事が多いみたいね。でも、身なりを綺麗にするのはこれからのドワーフ族にとって重要だと思うの」


「ドワーフ族以外の種族を国へ招くならそうですよね」


「ええ。これはドワンゴ国の未来に繋がる大事な計画よ」



 ピカピカになったドワーフさん達早く見たいな!

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